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Higher And Higher/Jackie Wilson

ジャッキー・ウィルソン御大の“(Your Love Keeps Lifting Me)Higher and Higher”。
ブラック・ミュージックの魅力を一曲で代表して伝えなさい、という命題があったとすれば、僕ならこの曲を一番に選ぶ。



どうでしょう、この活き活きとしたリズム。伸びやかなヴォーカル。チャカチャカしたギターとパーカッションが生み出すグルーヴとバンドのアンサンブル、コーラスのハーモニー。
完璧な一曲だと思う。



ジャッキー・ウィルソンはエルヴィス・プレスリーとは同学年で、黒いエルヴィスとも称された人で、サム・クックやジェームス・ブラウン、レイ・チャールズらと並んでソウル・ミュージックの基礎を作った人。かつ、派手なステージングはマイケル・ジャクソンのお手本にもなったそうだ。

この作品は、オーティスやモータウン勢が一気にスターの座にのし上がってもはや過去の人と見なされかけていた67年に、ベテラン健在を印象づけた意欲で、オールド・スタイルの歌い上げ系の曲もいくつか入ってはいるものの、瑞々しくて隅々まで意欲と気合に満ちた曲がたっぷり入っている。





いや、ほんとかっこいいです。
気分が高揚します。
アゲるときには思いっきりアゲて、甘い歌はとことん甘く。

ジ・エンターテイナー。
四の五の言っても、聴き手をハッピーにしてなんぼの芸人稼業。
どんなに芸術的な音楽だろうと、高尚なメッセージを携えていようと、超絶技巧の革新的な奏法を習得していようと、まずは楽しめなきゃ意味がない。
踊らせて、うっとりさせて、いろんな理屈はぜんぶ後からついてくる。
マイケル・ジャクソンは、ダンスだけではなく、そういう姿勢も同時にジャッキー・ウィルソンから学んだのだろう。




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コメント

[C3469] おお~

ご無沙汰しています。猛暑になりましたね、いかがお過ごしでしょうか。
ジャッキー・ウィルソン!超大物なのに、なぜか記憶の彼方に消えていました。思い出させてくれて有り難い記事でした!それにしても、いい音楽ですねぇ(^^)。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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