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music for 24hours①

低血圧のせいか朝は苦手で、早朝から早起きすることはほとんどない。
なので、午前4時に起きているということはほとんどない。
若い頃は明け方までだらだらと夜を過ごすのが好きだったけど、最近はすっかり早寝なのでそういうことがあまりなくなってしまった。
ただ、午前4時のひっそりした空気感は大好きだ。
まだ暗い中で、新聞配達のバイクの音が遠くで響いている。大型トラックが静かにうなりを上げて国道を渡る音がする。
静まった密やかな時間の中に、微かな胎動が蠢いている。

そんな午前4時に似合う音楽は、例えばこんな感じだろうか。

4:00
Living Without You/Nilsson


 陽が昇ると牛乳屋さん
 新聞がドアにつっこまれる
 地下鉄がゴトゴト走り出し
 そして僕はあなたを想う

そんな風にこの歌は始まる。
ニルソンの声は密やかで物憂げで、平坦な一日の始まりをただただ受け入れるような感じがするけれど、その淡々とした中の微かな感情の味わいが好きだ。

5:00
Daybreak Over The Ocean/The Beach Boys


5時になると東の空が明るくなる。
そのようにして毎日が更新されていくということは、実はすごく素敵なことなんだと思う。
毎日ちゃんと朝が来るということは、地球が正しく太陽の周りを回っているということ。すんごいスピードで回っているんだから、ひょっとコースを外れちゃったりしてもおかしくないんじゃないかと思ったりもするけれど、今のところちゃんと回っているわけで、毎日ちゃんと朝が来るということは本当はとんでもない奇跡の連続なのかも知れない。
24時間というのがちょうど快適なサイクルなんですよね。もちろんそれは話が逆で、この地球の回転のサイクルが前提で人間の生体リズムが出来上がっているんだけど、まぁ、100時間くらい夜が続いたり100時間くらい昼間が続いたりするような世界でなくてよかったとしみじみ思ったりするのだ。

ビーチボーイズの穏やかなハーモニーが、夜明けを祝福する。
フェードインで空が明るくなる。
水平線の向こうから太陽が昇ってくる。

6:00
Happier Than The Morning Sun/Stevie Wonder


午前6時。
実際のところ、この時間はいつもはまだまだふとんの中にいる。
明け方頃にはすっかりふとんと体温がなじんで、世界に抱きしめられているような至福の中にいる時間だ。
夜明けの気配を感じながら、うとうととまどろむ。
その至福感は、アコースティックでありながらとてもソウルフルで、例えばスティーヴィーのこの歌のような感じだと思ったりする。



季節や気温や湿度によって、気分によく合う音楽があるように、一日24時間の間にも、その気分にあった音楽があるんじゃないだろうか。
24時間の1時間ずつはどんな気分だろう?
そんなことを考えつつ、チョイスしてみた24曲を、3時間ずつ8回に渡って書いてみようと思います。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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