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東風

「東風」とは「冬の季節風が止み、早春に吹く風」を意味する言葉。立春の七十二候の初候が「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」であり、俳句では春の季語だそうだ。

東風吹かば/匂ひおこせよ/梅の花/
あるじなしとて/春を忘るな

というのは、菅原道真が詠んだ和歌で、大宰府へと左遷されることになった道真が、庭の梅に心情を託した歌。
ここでは“ひがしかぜ”ではなく“こち”と読まれます。
この句が教科書で出てきた中学生くらいのこと、この“東風”を“トンプウ”と読んでいちびっている奴がいました。
もちろんYellow Magic Ohchestraのこの曲のこと。



Y.M.Oは思いっきり「世代」なんですが、実は中学生の頃これが流行ったときはチンプンカンプンで、全然聴かなかったのです。
っていうか、中学生の頃に苦手だったヤツがY.M.O好きだったんで敬遠した、っていうのもあるんだけど。若い時って、そういうことあるでしょ。ま、今でもあるけど。

もちろん、細野晴臣・坂本龍一・高橋ユキヒロというメンツの物凄さや、ワールドワイドに革命を起こした日本発の音楽という価値は今ならじゅうぶんわかるけど、それでもやっぱり、なんでこれが当時の中学生に流行ったのか、今聴いてもさっぱりわからない。







坂本龍一バージョンは春を待つ冬の終わり感があるし、矢野顕子のバージョンは春めいた気分があがる。
東洋的なメロディーは不思議な浮遊感があって、わらべ歌のような奇妙な親しみやすさは一度耳につくと離れない独特さがある。
シンプルでありながら複雑さをもったリズムもまた同じように不思議な中毒感がある。

wikipediaによると、曲のタイトルはジャン=リュック・ゴダール監督の映画「東風」から取られている。とのこと。また、当時メンバーの行き着けの中華料理店の店名でもあったらしいが、たぶんこれは後付のボケだと思われる。
いずれにしても、七十二候とも菅原道真とは関係ないようだけど、それでも春の始まりらしい息吹を感じたりもする。

今聴くと、Y.M.Oのバージョンがすごくいいな。
能天気でありながら裏側にひっそりシリアスさがあって、ユウウツを抱えたまま踊りまくるみたいな感じ。
西洋人が見た東洋人観的なの中華風的演出にはあざとさやこれみよがしさを感じていたのだけど、これってリップサービスっていうか、もっと突っ込んでいえば一流のジョークだったんだな、と今更ながらに思ったりする。







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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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