fc2ブログ

Entries

どんなふうに死ぬのが理想か

死にまつわる不謹慎なことを書きます。
不快に思いそうな方はどうかお読みにならないでください。



死ぬとき、どんなふうに死ぬのが理想か。
一番理想的なのは、ドラマとかでよくあるやつだ。
重い病を患いながら自ら死期を悟って、死の床に家族や友人を呼び寄せ、ひとりひとりに感謝やメッセージを伝えたあとにガクッ、お父さ〜ん、あなた〜、シクシクシク、、、ってやつ。
でも、現実的にはこんなのはあり得ない。
仮に近いシチュエーションがあったとしても、体はチューブだらけ、伝えようにも呂律が回らない、息ができない、なんてのが関の山。
父親は容態が急変したあと、数時間昏睡状態のまま逝った。母から電話をもらってから駆けつけたけど間に合わなかったし、間に合ったところで言葉を交わすことはできなかった。現実はそんなもんだ。

だったらいっそ、即死がいい。
自分が死んだとも理解できないくらい一瞬で絶命したい。

一番辛い死に方は生き埋めだ。
突然の地震とかで建物が崩れて下敷きになってしまう。頭は無傷で意識はハッキリとあって、でも身動きはとれない。自分の足の上には瓦礫が覆いかぶさって明らかに潰れている。壊死していくのは時間の問題だということを認識しながら痛みに耐え、声を上げるけど救助の気配はない。あるいはここに埋まっていることは外部に認識されているにも関わらず、物理的障害を除去する手立てが何もない。トリアージによって救助対象から外される。そんな中で痛みや乾きと戦い、絶望感に襲われながら72時間過ぎて救助の希望すら失せたあとに絶命する。
これは本当に辛い。何の罰ゲームだよと思う。

生き埋めだけは絶対嫌だ。
埋められるのも嫌だけど、それを探す側になるのも嫌。身も心も引きちぎられるような思いがするだろう。
交通事故ではねとばされるほうがまし。津波に流されて溺死するほうがまし。飛行機墜落のほうがまし。通り魔に刺されるほうがまし。絞首刑のほうがまし。
絞首刑のほうがましって、いったいどんな重い罪なんだよ。
匹敵するとすれば、北の海で船が沈没して救助ボートに乗ったものの救助が来ずに寒い海の上をただたださまよう、くらいか。指先は凍傷ですでに青紫、震えが止まらないけれどどうすることもできない。あぁ、嫌だ嫌だ。。。
要は絶望的な時間を過ごしたくないのだ。
死ぬとわかっていながら、その思いを誰にも伝えられず、死の恐怖と向き合う絶望的な時間を過ごすことに耐えられそうもない。

実際には、そのようにして最期を迎えた方がたくさんおられます。近親者をそのようにしてなくした方もいらっしゃるでしょう。
例えば阪神淡路大震災で。今回のトルコの大地震でもとてもひとりひとりと向き合えないくらいのたくさんの方がそのようにして亡くなられた。
苦しかったでしょう。辛かったでしょう。悲しかったでしょう。
誰のせいでもない、誰が悪いんでもない、運命の巡り合わせ。
そうやって亡くなられた方の死を悼むのは、優しさなんかじゃない、そういう目に会いたくないから同情しているフリをするだけ。

本当のところは、被害にあったのが親しい人でなくてよかったとか、どうか自分だけはそんな死に方をしたくないとか、そういうわがままな思いがあるだけなのだ。

もし僕がそうやって死んだら、こういう不謹慎なことを書いてたからだ、と嘲笑ってやってください。



入院したくない
病気で死にたくない 
ベッドで死にたくない
即死でたのむぜ
痛いのはゴメンだ
苦しむのはヤダ 
一瞬でいくぜ
即死でたのむぜ

振り返りたくない
考えたくもない
涙はいらない
即死でたのむぜ
厳かはイヤだ
くだらない方がいい
笑えりゃなおいい 
即死でたのむぜ


(即死/ハイロウズ)




スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://goldenblue67.blog106.fc2.com/tb.php/1851-03534ae9

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

Profile

golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

Calendar

05 | 2023/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

Gallery

Monthly Archives