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♪すべての武器を楽器に

5月15日は沖縄が日本に返還された日。
1972年のこと。僕は6歳だったけれど、そのニュースのことはわりとよく覚えている。
父親は若い頃はかなりの労働運動の闘士で、家にはなぜか「かえせ!沖縄」なんていうレコード盤もあったりしたから、けっこう身近な話題だったのかもしれない。
沖縄という県があって、そこが戦争でアメリカに占領されていて、それがまた日本になる。沖縄の人は英語を喋っているので日本になったら大変だとか、沖縄では車はぜんぶ左ハンドルの外車で道路の右側を走っている、とかそんなことを自慢げに友だちに話したりしていたような気がする。

返還の日が5月15日となったのには理由がある。
日本の行政の新年度の始まりが4月1日、アメリカの新年度は7月1日。お互いがそれぞれ自分の都合を主張しあって、結局双方の中間を取って5月15日になったのだそうだ。
この話を聞いて、とても日本と沖縄とアメリカの関係を象徴しているように思った。


うろうろとダッチロールを繰り返しながら結局は元の木阿弥になってしまいそうな普天間基地移設問題。
僕らヤマトの人間は、このことについてとやかく言う権利はきっとないのだろうと思う。
アメリカとの安全保障条約があって、そのおかげで守られていることになっているこの国。それがほんとうかどうかはほんとうのところよくわからないけれど、そういうことになっている。少なくとも僕らはそのおかげで戦争に行かなくていいことになっている。今のところは。
「国民で負担を分かち合わなくてはならない」って言葉はきれいだけれど、実際問題誰だって自分の住む町や自分の故郷に基地なんて来てほしくない。原子力発電所はもちろん、清掃工場を建てるのにだって一苦労するこの国で、基地の移転をやすやすと許可する自治体があるとは思えない。
そもそも今回問題になっている普天間なんて、沖縄中にある基地の広さから見ればほんの一部でしかなくて、あれだけ広い土地を基地に使っているのだから普天間で使っている広さくらい「新居に引越し」しなくても今ある土地で吸収したり出来ないのかしら?とか、そもそもなんでそんなに訓練が必要なんだ?冷戦が終わってテロとの戦争の時代になって戦争の方法もずいぶん変わったんじゃないのか?とか、安全保障の問題の是非は別にしてもあれだけの基地を維持していく必要性への疑問はどんどん湧いてくるのです。ほんとうに必要な訓練をしているのだろうか。ほんとうに別の土地が必要なんだろうか。
安全保障はただじゃない、安全にはコストがかかる、それはわかる。でも、それもほんとうなんだろうか。
コストがかかるからこそ、なくなってしまったら困ってしまう人たちが蠢いているんじゃないのかな、なんて。


報道では基地そのものの問題よりも、鳩山首相の国のトップとしての資質を問う声や民主党のていたらくを揶揄する声ばかりが聴こえてくるけれど、そもそも一度はキャンプ・シュワブ沖埋め立てで合意したこの問題を民主党が取り上げなければ話題にすらならなかったのだ、ということは評価したいと思う。
基地を沖縄に押し付けるのはおかしいと思うのなら。
でも自分の町に基地は要らないと思うのなら。
僕たちに出来ることは一体なんだろう?


すべての武器を楽器に

すべての武器を楽器に/喜納昌吉&チャンプルーズ


すべての武器を楽器に。

すべての基地を花園に。

戦争よりも祭りを。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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