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Tom Verlaine

とてもよく冷えた冬の夜。
頬にあたる空気がキーンと冷たくて寒いというより痛いくらい。
冬の夜空の闇と灯りは、昼間の空よりも自覚的で、どこか意味ありげだ。

こんな夜にはテレヴィジョンが聴きたくなる。



少し引き攣ったひっかかりのある、トム・ヴァーレインの沈鬱で不健康そうな声。
まるでこの世ではない世界から響いてくるようだ。
この人はひょっとしたら、この頃からすでにこの世にいなかった人なのかもしれない、そんな気がしてくる。

冷たく張り詰めた空気と闇。
遠く手が届かないその闇の中にかすかに、はっきりと灯る蒼白い光。
闇の中にあるからこそ星が光り輝くように、絶望と諦念に満ちた音だからこそ希望と勇気が浮かびあがってくるような、そんな音楽を奏でる人だった。

Tom Verlaine
December 13, 1949 – January 28, 2023









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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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