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A Hazy Shade Of Winter

12月も半ば、冷え込みが厳しくなってきた。
低血圧がひどくて朝、起きれない。
体が強ばって肩こりがひどい。
右肩にひどいグリグリがあって、これをほぐそうと揉んでいたら余計にしんどくなって一日偏頭痛に苛まれた。
もともと姿勢はよろしくないから、いろんなところが歪んでいるんだろう。



月日は百代の過客にて
僕がどうなったかを見てみ給え
可能性はいくらでもあった筈
僕の偏屈が災いしたものか
木の葉は茶色く枯れ果て
空には冬の陰りが忍び寄る也

救世軍の楽団の音楽が
聞こえてくる川べりを下る
流れにさえ乗れば
もう少しましだった筈
挙げ句のこのザマ
そして目に映るものといえば
茶色い木の葉ばかり也
空には冬の陰り

「希望を持つべきだよ、友よ」
言うことだけなら簡単なこと
でも、もし君の希望が通り過ぎても
またトライできるって
フリはしておき給え
草は萌え、野は命に満ち
今こそ我が人生の春である、と

あぁ、季節は巡り景色も変わる
波打つつづれ織りのよう
立ち止まって
僕を思い起こしてくれ給え
何かのついでのときにでも
記憶が飛ぶんだよ、おかしいだろ
自分で書いた韻律(ライム)なのに
ウォッカを呑もう、ライムを絞って
そして目に映るものといえば
茶色い木の葉
空に冬の陰り
目に映るものといえば
茶色い木の葉
ひとひらの雪が地面に落ちて溶けた


(Hazy Shade Of Winter/Simon &Garfunkel)

前回に続いてのサイモン&ガーファンクル。
僕的にはサイモン&ガーファンクルは冬の住人なのだ。
冷たい空気の中に流れるアコースティックな響きとハーモニー。
そのハーモニーは、美しさの中に独特の緊張感を漂わせている。

“冬の散歩道”というのどかな邦題を与えられたこの歌は、実際のところそんなのどかなものではなく、努力が実らず失意に打ちひしがれるような男の物語。希望はいつしか打ち砕かれ、暗く重い景色の中にいて、それでもなんとか虚勢を張っているような。
主人公は希望を持ち続けろ、なんていう安易な励ましを否定する。
それでも希望を持っているポーズだけは取り続けようとやや自暴自棄に皮肉っぽく歌う。
そんなもんだろと諦めを歌いながらも、本当は諦めていないんだという心の内が浮き上がる。

ペシミスティックではあるけれどネガティブではない、悲観はするけれど絶望はしない。
薄っぺらい人生応援ソングなんかよりもこういう歌のほうが何百倍も役に立つと思ってしまうのは自分が歪んでいるからなんだろうか、などと自虐はしても、もはやそういう態度を改めようという気持ちにはならない。安易な解決策にもすがりたくない。
低血圧や肩こりや腰痛や偏頭痛も、それらを抱えたまま生きていくしかないのだ。
必要なのはそういう肚の据え方なのだ。
なんてことをぼんやりと思いつつ、そういう思考を呼び起こす冬っていうのはやっぱり苦手だなぁと思いつつ、冬の寒さがあるからこそ自覚できると思い、でもやっぱり春や秋がいいよなと思う、そういうループこそが生きている証なんだろうと思うことにしようと思うことにする。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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