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Rubber Soul / The Beatles

golden(以下g):「『For Sale』が一番好きというのはわかったんだけど、じゃあビートルズの最高傑作はどのアルバムだと思う?」

blue(以下b):「世間一般的には『Sg.Pepper's Lonely Hearts Club Band』か『Abbey Road』が選ばれることが多い感じやけどな。」

g:「『Sg.Peppers』はすごい作品だと思うけど、異色作だよね。」

b:「あれはやりすぎやな。」

g:「『Abbey Road』は後半のメドレーをどう評価するかで評価が割れると思う。」

b:「あんなもん、未完成曲の端切れの寄せ集めやないか。」

g:「ひとつの見解として承っておきましょう(笑)。」

b:「やっぱり完成度が一番高いのは『Rubber Soul』やろ。」



g:「1965年の6作目ですね。」

b:「ちゃんとしたアルバムっていうかね、曲が粒ぞろいで安定感があるというか。」

g:「僕は『Revolver』推しなんですよね。」

b:「そう来たか。」



g:「『Revolver』で試された数々の音楽的実験は、それまでのレコーディングの概念を変え、スタジオワークの質的変化を引き起こし、録音された作品の芸術的価値を高めたという点で歴史的な一歩だったわけですよ。」

b:「あー、それな。わりと評論家が言うやつや。」

g:「60年代後半のロックの劇的な変化と進化はここから始まったのではないかと。」

b:「俺はその60年代後半云々のロックの進化とやらはろくなもんやなかったと思うとるんで。」

g:「ただのエンターテイメントだったロックという表現の幅が芸術の域まで拡大したのは60年代後半のサイケデリックやハードロックやプログレがあってこそだと思うけどな。」

b:「それはそうなんやけど、結局パンクで振り出しに戻ったわな。ロックっていうのはやっぱりこねくり回したコンセプトやら演奏技術よりも、ガツンと一発シンプルにかっこよさや親しみやすさや美しさが肝の音楽やと俺は思うわけよ。芸術にならんでええ。エンターテイメントでええねんって。『Sg.Peppers』やら『Abbey Road』を評価してるんって、クラシックとか現代音楽とかおゲイジュツな音楽好きなやつばっかりやろ。ロック好きブルース好きにとっては全然響いて来んねんや。」

g:「まぁ、その議論はとりあえず置いといて。で、そういう視点に立ったとき、『Revolver』の実験性や進取の精神よりも『Rubber Soul』の普遍性ということ?」

b:「まぁ、そういうこっちゃな。」

g:「確かに、スタンダードと呼べるような名曲が『Rubber Soul』にはたくさん入っているよね。」

b:「Nowhere ManにMichelleにIn my Life。どれも名曲だらけやで。」

g:「Norwegian Woodも幻想的で美しいよね。」

b:「美しいだけちゃうで、一発めから泥臭くてファンキーなDrive My Carやからな。『Revolver』のDr.Robertも黒っぽいけどDrive My Carの黒っぽさはそれ以上や。」



g:「跳ねてるよね。」

b:「ブラスを入れたGot to Get to Into My Lifeもファンキーやけど軽いねん。もっと泥臭さがほしいねんな。」

g:「あれはもっとジャズファンクとかフュージョンに近いファンクっぽさだもんね。」

b:「あと秘かに完成度が高い名曲がYou Won't See Meな。」

g:「地味っぽいけど。」

b:「ソウルフルでシンプルなリズムと、実はかっこええハーモニー。隠れた名曲やで。」

g:「そう言われるとそういう気もする。」

b:「せやろ。」



g:「前作『Help』でひとつの完成形に近づいたビートルズが、ちょっと落ち着いてちゃんと音楽に向き合ってまともに作ったアルバムという印象はあるよね、『Rubber Soul』は。」

b:「今までの客層からのウケを狙わず、ミュージシャン・シップを存分に発揮しようとしてる感じな。」

g:「有り体に言えば、大人っぽくなった。」

b:「『Rubber Soul』まではな、バンドとしての一体感があると思うねん。『Revolver』以降は、ビートルズとして演っていても、メンバー個々の主張がはっきり出てきている。その辺も『Rubber Soul』の完成度が高いと感じる理由やな。」

g:「確かに『Revolver』以降は誰の曲かすぐわかるのが増えました。」

b:「完成度は高くなったけど普通っぽくて、意外と本人たちはすぐに飽きてしまって、もっと今まで聴いたことのないような音楽を演ってみたい、メンバーで合議するよるもっと自分が演りたい感じで演ってみたい、ってう欲求が生まれてきたんやろうな。」

g:「それが『Revolver』でのスタジオ遊びに繋がっていった。」

b:「もはやどんな作品作ってもビートルズだからって手放しで絶賛されるようになっちゃってちょっとつまらないから、もっとわけのワカランの演ってやろう、ってイタズラしてみた感じも『Revolver』にはあるな。」

g:「ビートルズっぽいひねくれ方かもね。」



b:「ある意味パンクやな。既成概念をぶち壊す。I'm Only Sleepingとか不愉快不機嫌をそのま出しててちょっとオルタナティブの走りっぽいしな。シタールを取り入れたLove to Youのアヴァンギャルドさや、かと思えば美しいバラードHere,There and Everywhereがあったり、ノーテンキなYellow Submarineがあったり。俺、だんだん『Revolver』の方が最高傑作かもって思ってきたわ。」

g:「いやー、やっぱり『Rubber Soul』の方が、この先100年後にも残るような名曲揃いの最高傑作でしょう。地味に聴こえるI'm Looking Through YouやWaitもメロディー、ハーモニーとも完璧よ。ジョージのIf I Needed SomeoneやほっこりしたリンゴのWhat's Goin' Onも。」

b:「いやいや、Tomorrow Never Knowsのサイケデリックさや、皮肉たっぷりのTaxman、スコットランドっぽいメロディーを転用したShe Said,She Saidの方がクオリティー高いな。」



g:「あれはあれでかっこいいんだけどもね。」

b:「おい、いつの間にか主張がひっくり返っとるな。」

g:「ま、どっちも名作ってことで。」

b:「そーやってきれいにまとめるのは好かんな(笑)。」

g:「王道直球の『Rubber Soul』とテクニカルな変化球の『Revolver』、バンドとしての一体感を維持して高みに上り詰めた『Rubber Soul』と、メンバー個々の個性を爆発させた『Revolver』。優劣はつけられないね。」

b:「ちなみにそれぞれのアルバムの売上枚数は?」

g:「『Rubber Soul』735万枚、『Revolver』が600万枚。」

b:「じゃ、やっぱり『Rubber Soul』の勝ち。」

g:「そもそも勝ち負けじゃないって(笑)。」










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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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