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Autumn Almanac

露に濡れた生け垣から
いも虫がぞろぞろはい出してくる夜明け頃
それもまた秋の歳時記
そよ風が吹いて辛子色の葉が落ちる
それを掃いてはせっせと袋に
そう、これが私の秋

金曜日の夕方には
人々はひどい天気から逃れて集まる
お茶を煎り、バンズにバターを塗って
陽の恵みの不足を補う
夏はとっくに遠ざかっていったから

あぁ、リューマチの背中が痛む
そう、それも私の秋の歳時記

土曜日にはサッカーをするのが好き
日曜日には当然ローストビーフ
休日にはブラックプールに出かけて
日光浴をしたいな

これが私の下町
きっとここを離れることはないだろう
ずっとここで暮らす
もし99歳まで生きたとしてもだ
私が出会う人々は皆
この下町出身なのだから
離れることなどできない
帰っておいでと呼ばれるから
そう、私を呼ぶ声がするから

あぁ、それが私の秋の歳時記


(Autumn Almanac/The Kinks)

10月になっても暑いなぁ、と思っていたら、急転直下の秋の風。
明日も最高気温は20℃にもならないそうだ。
ぼんやり薄い雲がかかって、そぼそぼとにわか雨が降る。
ロンドンの秋のお天気ってこんな感じなんだろうな、と思った。
ロンドンには行ったことはないけれど。



イギリスの秋といえば、キンクスだ。
イメージとしては曇り空。
どんよりした雲に覆われときどき小雨が降る。
そんな中で、庭いじりをしたり、午後になったらおなじみのパブに集まる失業者や年寄りたち。
“Autumn Almanac”もそういう情景を描いた歌なのかな、と。
なにしろ行ったことないんでよくわからないのだけど。



キンクスはとても不思議なバンドだ。
ビートルズは明るく「ハハハ!」と笑う。フーは豪快に「ギャハハ!」、ストーンズたちは「フンッ!」「ヘッ!」って感じ。
で、キンクスは「ニヤッ」と笑うのだ。(ちなみにアニマルズは笑わない。)

“You Really Got Me”や“All Day or All of The Night”の頃はむしろメタリックなくらい尖ったハードな音を鳴らしていたのに、1967年のこのアルバムくらいからは、むしろカントリーっぽいというか、アコースティックでほっこりした音を演るようになった。
老人の日向ぼっこみたいでありながら、少し斜に構えてチクッと皮肉を交えたようなイギリス人らしい諧謔精神を織り込んで、いたずらっ子みたいに笑っている。いや「笑って」よりは「嗤って」や「嘲笑って」という文字の方がしっくりくるか。

急に冷え込んできたこんな日には、ギンギンのロックやファンキーなブラックミュージックよりも、こんなキンクスの音で癒やされたい。
コーヒーよりも紅茶が飲みたいな。
あるいはあったかいスープ。

例年どおり、8月末から10月初旬は超多忙、テンションあげて駆け抜けるしかないのだけど、その反動でどっと疲れが出てくる。
ちょうどその時期にこういう気温低下。
ちょっとのんびりしたいな。
それこそブラックプールへ日光浴にでも。

※ブラックプールとは、イングランド北西部、アイリッシュ海に面するランカシャー州にあるイギリス最大の保養地、だそうです。
当然行ったことはありません。







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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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