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That Summer Feeling



特にやるべきことがあるわけでもないとき
よくわからないまま恋に逃げ込むとき
理由もなくともだちを信用できるとき
この感じ、どう言ったらいいのかわかんないんだけど
あの夏の感じみたいに
ある日とつぜんやってきたりするあの感じ

池に落ちたときのあの冷たさ
ばったり倒れ込んだときの芝生のにおい
警官に尋問されたときのあの嫌な感じ
あの夏の感じみたいに
ある日とつぜんやってきたりするあの感じ

もし、ぼくが例えているようなことをさ、
今は忘れてしまっていたとしても
そのうち伏線回収するときがくるよ
なぜって、あの夏の感じは
あるときとつぜんやってくるから

でも、もしきみがすごく年を重ねるまで待っていたとしたら
すごく悲しい思いになるかもしれないから
恨みみたいなね
あの夏の感じに囚われ
あの夏の感じに嗤われ
あの夏の感じに傷つけられるかも知れない
あるときとつぜんにね

4年生の頃が素敵に思える
あんなに嫌だったのに
1年の時もだね
過大評価しすぎかな
あの娘とデートしたいって思ってた小さなきみ
あの娘を恋しく思うだろうか
それとも恋しいのはその頃の自分?あの夏の感じがついてまわるんだ
ずっとその後の人生に


(That Summer Feeling / Jonathan Richman)

ヘロヘロでヘナヘナのジョナサン・リッチマンの脱力した声で淡々と歌われるのは、少年時代や思春期の思い。
あー、わかるなぁ。。。
ある日突然に、昔の自分の振る舞いだとか、すっごく嫌な気持ちになったこととかをを思い出して「わぁぁぁぁーっ」て叫びたくなるようなこと。
ありません?
僕はあるあるです。
誰にも言えない、後悔とも言えない自覚していないような懺悔感に突然襲われる。
その時にちゃんと吐き出せなかったことや言語化できなかったことっていうのは、心や身体のどこかに貼り付いているんだろうね。
成仏できなかった亡霊みたいに。

幼なじみの女の子が通学中に転んで怪我をしたとき、それもどうやらけっこうな怪我だったみたいなんだけど、助けを差し伸べることができなかったことがあるんです。小学校3年か4年くらいのとき。
その子とは家が近所でずーっと仲良しで一緒に学校から帰ったり家に遊びにいったりしてたんだけど、3年とかになるとクラスのイチビリ達が「おまえ、あいつのこと好きなんやろー」とか冷やかすようになるんだよね。
そうやってからかわれるのが嫌で、無視したんだ。
これ、未だに夢に出てくるんだ。

それから、これは5年か6年くらいのこと。
3つ上の兄の担任だった男の教師が僕のクラスの担任になって。
いきさつは忘れたけどなにかのときにその教師が直ぐ側に来て顔を近づけて「お兄さんはもっとちゃんとしてた。」みたいなことを言ったんだよ。
そのときの教師のタバコ臭さと青い髭剃りあとがすごく気持ち悪くて。
これも未だに夢に見る。

小学校2年の頃、親に少し手伝ってもらった夏休みの課題の絵がコンクールかなんかで入選して、親に手伝ってもらったって言えなかったこと。
6才くらいだったか、初めて一人で電車に乗って医者かどこかへ行くことになって、もらった500円札をしっかり財布に入れていたのに、切符を買うときかどこかで落としてしまったこと。
高校1年のとき、中学時代からの親友が、僕が好きだった女の子を好きになって「告白しようと思う。」って聞いたときのこと。夕方の公園だった。その女の子のことは忘れているのに、こっちは風景や気温までよく覚えてる。
夏の思い出は、甘さよりも酸っぱさや苦味のほうが多い。

あとは、仕事場で配送センターの責任者をやってたときに、思うようにならないトラブルやなんかのときに、本来なら上司として労う言葉をかけてあげないといけないときに「しょーもないことで俺の仕事増やさんといてくれやっ」とか怒鳴ったこととかかな。
そういう後悔は山程ある。
誰も自分の味方がいないように感じていたんだろうな。
まぁ、誰しもそんな痛い経験をして、少しずつやり方を覚えていくんだろうけど、そういう成仏しなかった気分っていうのは残ってしまうんですよね。

夏休み、ひとときのブレイク、なぜか思い出すのはそういうことばかり。

そんな気分に、ジョナサン・リッチマンは優しい。
ありきたりな優しさじゃなくて、みんな多かれ少なかれそんな感じだよね、って隣で嗤ってる感じ。
慰められるより、励まされるより、嘲笑われたほうがスッキリすることってあるよね。
そういうことをわかってる、ジョナサン・リッチマンは信用できる。
ヘロヘロでヘナヘナなジョナサン・リッチマンの歌に、ゆるーく満たされる夏休みのある日。




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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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