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Rainbow Connection

雨上がりのあとには、虹。

「あ、虹が出てる。」

その一言で、誰もが手を止めて空を見上げてしまう。
虹という自然現象には、そういう不思議な魅力、大きな力がある。

なぜ虹が出るのか、太陽の七色の光線が水蒸気によって屈折して、、、云々と説明できないことはないのだけれど、ではなぜ弧を描く?なぜ七色?虹の橋の袂はどうなっている?
やはり本当のところうまく説明することができない。
古代の人々はこの現象を何らかの超越した力によるメッセージだと思ったことだろう。
漢字で「虹」が「虫偏」なのは、大蛇や龍からの連想で、古代人が畏れ多いものと感じていたことが伺える。



よく覚えているのは、伊良湖岬の海にかかった虹だ。
娘が5歳くらいの頃だった。
父母と一緒に一泊旅行に行った。
父親が体を悪くし始めていて、もう十年持つか持たんかやし、孫と出かけたいっていうことだった。
伊勢からフェリーに乗って、伊良湖岬へ。島崎藤村の「椰子の実」で有名な浜を散策したり、メロン園でメロン食べ放題を堪能したり。娘はあまりメロンが好きではなくて結果的には僕が山ほどのメロンを食べた。
翌朝は小雨が降っていた。
昼過ぎにフェリーに乗る前に雨が止み、海の上に大きな虹が架かったのだ。
薄い水色の空とねずみ色の海の間に、端から端まで邪魔するものが何ひとつない完璧な虹。
桟橋からそれをしばらく見上げていた。
虹の橋の両側の袂を一度に見たのは、後にも先にもこれっきりだと思う。
その虹の袂は、海との境界は霞んでいて、虹は宙に浮いているようだった。





“Rainbow Connection”という歌は、たまたま娘と一緒に観ていた子ども番組で知ったのだったか。
カエルのカーミットがバンジョーを抱えて歌っていた。
ミュージカルか何かのスタンダード曲なんだろうと思っていたら、マペットの映画用に作られたオリジナル・ソングなんだそうだ。

虹を歌った歌って
とてもたくさんあるのはなぜ?
虹の向こう側にあるのは何?

「虹は幻影、ただのイリュージョン
その向こうには何にもない。」

人はそう言うし、
みんなそう信じてる
でも私は知ってる
それは間違いだってこと

ちょっと足を止めて
よく見てごらんよ

私たちはいつか見つけるはず 
虹のつながりを
恋人たちと 
夢見る人たち 
そして私も

(Rainbow Connection)


それは間違いだ、っていう断言がいいね。

確かに虹は、太陽光線のプリズムと水蒸気による光の屈折が作り出す自然現象でしかなく、そこに神秘性や夢や希望を感じるのは人間の思い込みでしかない。
でも、たくさんの人が虹に何かを感じ心を動かされるのは事実。
そのことが何かのきっかけになったり人生の支えになったりすることがあったりするわけで、そういう意味で虹はただの幻影やイリュージョンではなく、もっと大きな意味を持つ場合がある。

あの日の虹のことは今も心の片隅で引っかかっているし、この先にもまた意味を持つことがきっとあるはずだ。









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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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