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It's Raining

雨は好きか、と問われるとしたら、どう答えるだろうか。

雨の日に荷物を持って出かけるのは嫌いだ。
片手に傘、もう片方の手に荷物。
荷物は傘の庇護の元から外れて雨が降り掛かってすでにずぶ濡れだ。
足元からも雨水がしみてくる。指先が冷える。
グシャッ、、、あぁしまった。水たまり。これで靴の中までもうグショグショ。。。
とても不愉快極まりないシチュエーションだ。ぜんぶほったからして帰りたくなる。

でも、雨が嫌いかというと、そうでもない。
静かにそぼそぼと降る雨を眺めているのは好きだ。
土砂降りの雨のバシャバシャと路上で跳ねる音や、屋根の樋から溢れんばかりに水が吹き出しているのや、下水管にむけてゴウゴウと勢いよく流れていくのを見るのも悪くない。
普段の景色がガラッと変わってしまう。
ついでに言うと、雨に濡れるのも嫌いじゃない。
傘を持ったり、靴に水がしみるのが不快なだけで、雨そのものが嫌いなわけではないのだ。



歌の中では、だいたい雨は、悲しいもの、気分が塞ぐものとして扱われることが多い。
例えば60年代ソウルの名曲、アーマ・トーマスの“It's Raining”。



drip-drop drip-drop
ひどい雨
一晩中降り続くみたい
こんな夜は
あなたに抱きしめられたい
でも受け止めなきゃいけないの
あなたがここにいないという事実
こんな夜は早く過ぎ去ってほしい

ひどい雨
本当にずっと降ってる
窓辺に座って
雨が地面を打つのを見ているの
こんな夜は
あなたに抱きしめられたい
今夜は気がヘンになりそうだわ

ひどい雨
思い出してしまう
あなたが一緒にいた頃のこと
雨の粒を数えて
気を紛らわしているの
早く止んでほしい
drip-drop drip-drop
(It's Raining / Irma Thomas)


雨の夜に一人、去ってしまった恋人のことを思う歌。
シトシトというよりはザァザァという降り方だろうか。
晴れた空が、どこまでも希望が広がっていると感じられるのとは逆に、雨の日はどこか遮断されている感じがするものなのかも知れません。
ついつい気分が内向き、後ろ向きになってしまう。

50数年も生きてくると、そういう日もアリだよねと思えるけれど、若い頃はその遮断され幽閉されたような場所で閉じこもり、解決しない悩みを無限ループさせるくらいなら、雨の中をびしょ濡れになって走り回ったほうがましだと思っていた、ということを何となく思い出した。











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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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