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さよなら矢野監督

野球記事です。

長いボヤキになります。



日曜日まででシーズンの約1/3を消化して、火曜日からは交流戦。

タイガースは47試合で17勝29敗1分、勝率.370で最下位を独走中。

開幕したのにオープン戦のようなゲームを繰り返してこしらえた借金を返済できないどころか、そこから這い上がるための危機感が采配から感じられないことには呆れる他はない。



5月17日火曜日スワローズ戦、1対0で迎えた9回裏、ストッパーの岩崎が同点にされて尚一死2塁3塁、打者オスナ。

誰がどう考えたって敬遠で満塁にして次打者で前進守備、本塁封殺を狙うべき場面。だって1点取られたらサヨナラ負けなんだぜ?

なのに勝負に行って、痛打、サヨナラ。



翌日大勝したあとの5月19日木曜日スワローズとの三連戦3日め。勝てば勝ち越し、負ければ負け越し。借金を13も抱えたチームにとってこの勝ち負けは大きな意味がある。

0−1の6回、二死から打順が投手ガンケルに回る。ガンケルは6回まで93球、1失点。まだ行けたしどうせ二死、走者が出たところで次打者の捕手坂本に代打は出せない、ガンケルは三振で7回続投でいいと思われる場面なのに、代打高山、そしてあっさり凡退。

この時点で僕は試合の行方が読めてしまった。

勝ちパターンを使わずどうせ岩貞あたりだろう。どうせ四球で走者をためて手痛いのを食らうんだろう。一度点差が開いたら、もう打線は食らいつけはしないだろう。

果たして、試合はそんな予想通りに動いたのだった。四球こそ出さなかったが守備の失策で自滅した。



5月20日金曜日、甲子園のジャイアンツ戦。

0対2の8回裏、フォアボールのランナーで無死1,2塁。8番投手の打順で代打熊谷を出して送りバント。でも次打者は捕手長坂。捕手は2人しかいないので代打は出せない。打てるはずがない。

次打者が強打者なら別だけど、あの場面では相手がくれたチャンスで簡単にバントでアウトをひとつあげるべきではなかった。あのアウトで戸郷はほっとしたはずだ。相手が困っているのに助けてしまうことになってしまった。

仮にそうするのであれば、長坂にはスクイズさせてまずは1点とるべきだったけど、2点差なのでその判断もなく無策で二死。近本が打つか打たないかに預けるしかなく、中途半端な攻めで結果凡退。唯一のチャンスを逃してしまった。

あの場面を近本のヒットに預けるのは采配ではなく、希望的観測でしかない。お祈り、ですね。それは観客がやることで、監督の仕事ではない。

翌日はそれを反省したか、2回裏のチャンスで長坂にスクイズ。これが決勝点になったけれど、こういう1点を取りに行く采配が今のタイガースには必要だ。この日も3回裏の無死1,2塁チャンスでは5番大山以下糸井・糸原が無策で凡退し相手を立ち直らせてしまったし、日曜日も1回に無死1,2塁で大山・佐藤・糸井が凡退した。大山なんて打率.220そこそこなのにチームバッティングの進塁打なんてろくにしたことがない。原監督ならバントを命じただろう。そういう勝つための厳しさが矢野采配にはまるでない。選手を信じるというポーズを取りながら、実際のところは丸投げしているだけだ。







金本監督が退任し、当時二軍監督だった矢野燿大氏が監督に就任することを、僕は比較的前向きに捉えた。

当時の金本氏の体育会的オラオラ路線よりも、若い選手たちに寄り添いながら育成できる手腕があると思った。客観的で論理的で、ブンブン振り回すのではない弱者としての戦い方を知っている監督だと思った。



その予感は、半分あたり、半分大ハズレだった。

若い選手たちは確かに育った。

金本時代に汲々していた選手たちは伸び伸びと自分らしいプレイをするようになった。

でもそれだけだった。

選手たちは自由に伸び伸びやっているけれど、自由に伸び伸びだけでは成長は止まっちゃうんだよね。

結果的にはセンスだけで野球をしてしまうことになる。

監督はやるべきことをなんにもできていないままで、選手たちに成長課題を与えない。

そしてあまりにも致命的な欠陥だけど、勝負勘がなさすぎる。

そして、自分自身の言動に無責任すぎる。



今年のタイガースのスローガンは「イチにカケル」だそうだ。

一つのプレイに精魂込め、1点にこだわる、1勝にこだわる。「イチ」はデザイン上は数字の1と合わせて「イノチ」とも読めるようにレイアウトされ、一つのプレイに命をかけることを表している。

いいスローガンだと思う。たった1勝の差で優勝をさらわれた翌年のなんとしてもという気持ちが現れている。

で、迎えた今シーズン、その「イチにカケル」ようなゲームがありましたでしょうか?そういう采配がありましたでしょうか?

勝てたゲームのほとんどは選手の才能によるものか、相手が勝手にコケてくれたことによるもの。大勝だった先週のベイスターズ戦、水曜日のスワローズ戦、日曜日のジャイアンツ戦、いずれもそうだ。

相手の投手の調子が悪いか格が少し低いとバカスカ打つけど、ちょっと良いともう手も足も出ない。そういうときにどんな手立てで点を取りに行くかがチームとしての戦い方なのに、何の策もなく選手個人に任せるだけ。

そういう「イチにカケない」采配で落としたゲームの多いこと。



自力優勝が風前の灯火のとき、この先踏ん張れるかの瀬戸際。

ダントツの最下位チームがどうして首位独走チームのような余裕こいたことができる?

どうして「イチにカケ」ない?



矢野監督の采配は、ファンへの誠意がない。

言行不一致な人間は、勝負事の将の器ではない。

もちろん、自身の求める理想と現実の歯がゆさはあるだろう。でも、そういうときに泥にまみれることこそが指揮官の仕事だし、人はそういうプロセスを経るからこそ成長する。理想さえ指し示せば勝手に成長するなんてことは残念ながらない。

このまま監督を続けることは、チーム、選手、ファンはおろか本人にとっても良い結果にならないとしか思えない。

どうせ退任されるのなら早いほうが、誰のためにも良いはずだ。











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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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