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The Ravens ロックのゆりかご(20)

The Ravensは、1946年にジミー・リックス(James Thomas Ricks, 1924年8月6日 – July 2, 1974年7月2日)とウォーレン・サトルズ(Warren "Birdland" Suttles、1925年2月20日 –2009年7月24日)らにによって結成されたヴォーカル・グループ。
その時代で最も成功し、最も影響力のあるボーカル・カルテットの1つであり、1940年代後半から1950年代初頭にかけてR&Bチャートでヒットを連発した。



ドゥーワップのはじまりは、ゴスペルコーラスの伝統を元にジャズ・コーラス・グループとして1930年代に活動したミルズ・ブラザーズやインク・スポッツあたりの黒人ジャズ・コーラスグループにさかのぼる。
レイヴンズを結成したジミー・リックスも元々はインク・スポッツの後期メンバーだったそうだ。

ミルズ・ブラザーズやインク・スポッツとドゥーワップ・グループの大きな違いは、ベース・ヴォーカル。
「ボン、ボボン、ボン、ボボン」とか「ドゥドゥドゥドゥドゥー」などと低音部分を担って全体のグルーヴをリードしていく。



1946年のヒット曲、“My Sugar is so Refined”。
レイヴンズのヒット曲は、すぐに多数のフォロワーを生み、ジ・オリオールズ、フラミンゴズ、ペンギンズ、ロビンスなど後続が次々にデビュー。
それぞれに鳥の名前を冠していたので「バード・グループ」と呼ばれたそうだ。



この“Rock Me All Night Long”は1952年のヒット。だいぶビート感が出てきています。

さらに、こうした初期のグループを聴いてたくさんの黒人の若者たちがコーラス・グループを結成していく。
それが、ハートビーツやキャデラックズ、ムーングロウズやコースターズら、50年代中盤以降にぞろぞろとデビューするドゥーワップグループ。
楽器が弾けなくても街角で集まって唄えばスターになれる可能性を開いたドゥーワップは、産業化と業界の硬直化がすすみつつあった音楽業界を、貧しい庶民の手に取り戻す役割をも果たすことになる。
要は「センスと情熱さえあれば、金がなくても誰でも音楽で自己表現できる」ということをリアルに示したのがドゥーワップ。
そういう意味ではドゥーワップは、パンクと同じ作用を持っていた。
エスタブリッシュメントの価値観を一度崩壊させたその割れ目のところから、ロックンロールがビジネスとして成立する芽が育まれたのだ。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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