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春のからっ風

新型コロナウイルスが流行しだして2年、この間で発熱をしたことは2度しかない。
1度目は夏の2回目ワクチン接種後、2度目が今回だ。

金曜日に3回目のワクチンを射ってきた。
案の定、発熱だ。
最高39.1℃まで上がった。

寝たきりの土日の気休めになったのは、三寒四温の寒の戻り。
冷たい雨がそぼ降る。
これで表がご機嫌な春爛漫の陽気だったら、もっと気持ちがめげたことだろう。



春だというのに北風にあおられ
街の声にせきたてられ
彼らに合わないから追いまくられて
さすらう気はさらさらないのに

誰が呼ぶ声に答えるものか
望む気持ちとは裏腹
今はただすきま風に身を任せ
今日の生き恥をかく

(春のからっ風 / 泉谷しげる)

春という明るく希望に満ちた季節に、心に冬の寒さを抱えたまま立ちつくす男。
うまく気持ちを伝える言葉を見つけられず、わかってくれない周りを恨んでも仕方がないとわかっていながら、しかしこのやりきれなさは何なんだろう。
そんな心象風景の歌。

こういう気分は幾度も味わってきた。
感情にまかせて言葉を投げつけたときっていうのは、相手だけじゃなく自分も同じくらい傷ついているのだ。
もうそういう不毛なことはしたくないな。
そう思いながら黙って時が過ぎるのを待つのだけれど、それはそれで言葉にしないことでのモヤモヤが澱のように心の底に積もっていくような気がする。

まぁ、仕方がない。
生きている限り、こういう“なんだかなぁ”はつきまとっていくのだろうな、と割り切ることだけは上手になった。








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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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