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Leadberry ロックのゆりかご(8)

レッドベリー(本名Huddie William Ledbetter、1888年1月23日 - 1949年12月6日)は、ルイジアナ州ムアリングスポート出身、アメリカ合衆国のフォークとブルースのミュージシャン。
力強い歌声と豊富なレパートリーで知られる。



レッドベリーの名前は、なぜかわんさかある「ブルース入門本」にはほとんど出てこない。
曲名にもブルースを冠したものがたくさんあるわりには、レッドベリーは「黒人フォークシンガー」とジャンル分けされていることが多いのだ。
フォークとジャンル分けされてしまえばブルースとして扱われない?みたいなところがブルース教条主義的なものの嫌なところで、こういうブルースマニアは正直好きじゃない。モダンジャズなんかでも似たようなことがあるけど、ああいうの頭でっかちなのは嫌だね。

まぁ、それはともかく。
音を聴く限りでは、確かにブラインド・レモン・ジェファーソンほどギターを弾くわけではないし、形式としてのブルースからは逸脱した曲も多い。けど、歌にあるスピリットそのものには大きな変わりはないように思えるのだ。
実際のところレッドベリーはブラインド・レモン・ジェファーソンと親交があり、一緒に南部の酒場回りをしていたこともあるらしい。

そもそもブルースというジャンルすらまだまだ確立されていない1920年代。
ジャズもブルースもフォークもカントリーもゴスペルもぜんぶ一緒くただったんだろう、というのがレッドベリーの音を聴くとよくわかる。
どこかで「ここからがブルースです」と線を引くことにあまり意味は感じられない。



レッドベリーのバラエティに富んだ演奏スタイルは、他のミュージシャンがプレイしていたものをコピーして取り込み、人間ジュークボックス的に披露していことによるものではないだろうか。
ゴスペルの説教っぽい曲からカントリーっぽいものも含め、請われればどんな曲でも演奏したのだろう。

代表曲のひとつ、“Midnight Special”は元々はゴスペルだったそう。僕はC.C.Rのカバーでこの曲を知った。
“Cotton Field”もC.C.Rやビーチボーイズなどたくさんカバーされた曲のひとつだし、ライ・クーダーが演っていた“Pigmeat”や“The Bourgeois Blues”や“Goodnight,Irene”などなど、レッドベリーはその名前を識るよりずっと前からすでに親しんでいる曲がいくつもあった。
“Goodnight,Irene”はキース・リチャードもソロアルバムで演っていましたね。



いかにも荒くれっぽい歌い方は、ハウリン・ウルフを彷彿とさせるものがあって、実際刑務所に何度も出入りするような荒っぽい人だったそうだ。
ロバート・ジョンソンのような繊細なニュアンスには欠けるけれど、ざっくりしているからこそ柔軟で何でも来いのおおらかさもあったのではないだろうか。

こうやって何でも吸収して何でも演奏する人たちを媒介して、いろんな形態の音楽が融合していったという側面もあるはず、とレッドベリーを聴くとそういうイメージが湧いてくる。





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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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