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Rock'n'Rollお年玉

お正月をテーマにした歌って、あるようであんまりない。
パッと浮かぶのはU2の“New Year's Day”と佐野元春の“Young Bloods”くらいなものか、と思いつつ、あぁ、これがあったと思い出したのが、大瀧詠一の“Rock'n'Rollお年玉”。

12ヶ月のイベントをテーマに1ヶ月ずつの12曲を集めた「ナイアガラ・カレンダー」っていうアルバムの1曲めに収録されていた。


Niagara Calendar / 大瀧詠一

このレコード、実は中学3年の頃に一度聴いているのです。

1981年の「A Long Vacation」は、それまでのいわゆるニューミュージックの垢抜けなさを一新する画期的なレコードで、中学生にもわかるくらい魅力的で衝撃的なアルバムだった。
もちろんそれ以前からこういうポップスは存在していたけれど、メジャーシーンで一世を風靡する大ヒットとなったことで、中学生にまで時代の変化がありありと体感できたという意味でとても画期的だったのです。

で、大瀧詠一ってすごいなぁーってなって、半年くらい経ってもっと他の作品も聴いてみたいって思った頃に、当時校区内にできたばかりのレンタル・レコード店に大瀧詠一名義で唯一置いてあったこの「ナイアガラ・カレンダー」をレンタルしたのでした。

どんな感じなんだろう、とワクワクしてレコード針を下ろすと、いきなり流れてきたのがこれ。。。



正直まったく意味不明でした。
音楽に対して真面目でストイックで、熱く感動できるようなものを求めていた中学生の僕にとっては、このおふざけ感はまるで理解できるものではありませんでした。

なんか思うてたんと違う・・・
がっかり。。。

結局、あまりにも受け付けなくて、“Blue Valentine's Day”“青空のように”“真夏の昼の夢”の3曲だけをダビングして返却してしまったはず。
わかりやすいものしか理解できない中学生。
まぁ、中学生なんてそんなもんだった。



今聴くとめちゃくちゃ楽しいレコードですね、これ。
大瀧詠一に関してはビートルズやビーチボーイズ同様にマニアックな研究家が多いので、浅いファンとしてはあまり深い言及は避けたいところですが、50年代60年代のアメリカン・ポップ・ミュージックへの大いなるリスペクトをベースに、江戸文化を継承する諧謔的ユーモアを織り交ぜた日本語をいろんなリズムに合わせていく実験、というような感じでしょうか。

こういう音が楽しいと思えるようになったのは、40も過ぎてからのことだった。
ただただかっこよさや疾走感や破壊力を求めてロックを聴いていた子供の頃から、徐々にロックのルーツを遡り、ブルースやリズム&ブルースにはまり、プレスリーやボ・ディドリーのかっこよさに出会い、という流れ。
一方で大人社会への反発から風習だとかしきたりとかを押し付けてくる日本の文化そのものも古いと否定していた子供の頃から、徐々に日本の伝統文化や歴史に興味を覚え、、、みたいなことが結びついてきてやっとわかるようになった感じ。

いや、そもそもそういうこと以上に、人生へのスタンスの余裕度合いというか、必死でがんばるより楽しくやりたいと思えるようになったのも40を過ぎてからってところの方が大きいかもしれない。

今、あの当時の中学生の僕に会えるとしたら、どんな言葉を掛けるだろうか。
「今のお前にはまだまだ理解できんよ。」
「いずれ大人になればわかるようになる。」
・・・うーん、違うな。
これじゃ、その頃大嫌いだった大人たちとおんなじだ。
「これ、おもろいな。おじさん、これ好きなんだよ。おもしろいだけじゃなく、実はけっこう深い。」
とかなんとか、せいぜいそんなところだろうな。







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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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