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音の食卓〈豚汁〉


That's How Strong My Love Is / O.V Wright



はあぁぁぁ、なんともほっこりしてあったまるなぁ。
聴くたびにほっこりと落ちついた気分になってホカホカと温たまる気分になれるのは、サザンソウルの巨人、O.V・ライトさん。
サザンソウルというと暑苦しさと胃もたれするくらいのくどさが味わい的なところがあるけれど、O.V・ライトさんは、熱い心から溢れるような叫びや嘆きのこぶしはところどころに入りつつも、それが暑苦しさやくどさにつながらない程度にきっちりと抑制がきいていて、そのバランス感覚がいいよなぁ、と思うのです。
あおったり泣かせようとしたりしない分、まったり聴ける。

このあったまる感と、くどくならない一歩手前の脂身感は、例えるならば豚汁かなぁ、なんて思います。

一般的に豚汁に使うのは豚のバラ肉。
安い豚だと脂身のアクや臭みや出すぎてくどくなりすぎるんだけど、O.V・ライトさんの脂身にはそういうくどさや脂っこさが少ないんですよね。口に含むととろけるような、そういう脂身だと思う。
加えて、豚汁の脂っこさを抑えてくれるのは、濃厚な味噌とたっぷりの野菜だ。特に、ごぼうから染みでる旨みや、さつまいもから出る甘みは豚汁そのものをまろやかにしてくれるし、そのおいしさをしっかりと染み込ませてくれる里芋やこんにゃくなんかも実に素敵な存在感だと思うのです。


これは、ハイ・スタジオのバンドの魅力とかぶるところがある。
とてもいい頃合いでリズムを支えるティニー・ホッジスのギターとリロイ・ホッジスのベース。ちょっとモタり気味の味わいがあるハワード・グライムスのドラム。このタイム感は人力のリズムセクションならではだ。
このちょっと引き気味で包みこむようなバンドサウンドと、脂多めのO.V・ライトさんの歌声がほんといい感じでブレンドされて心地よいのです。
そこへ、おいしいところでぐいぐいと盛りあげていくメンフィス・ホーンズとウィリー・ミッチェル編曲のストリングスが入ってくると、もうたまらない味わいになるわけですね。
メンフィス・ホーンズのシャキシャキ感はレンコン、ストリングスの甘みはさつまいも、あぁ、完璧だ。



季節は初冬。
日に日に冷え込んできました。
豚汁&O.V・ライトで、まったりほっこりあったまりましょ。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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