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音の食卓〈海鮮あんかけチャーハン〉

海鮮あんかけ炒飯とかけて
モット・ザ・フープルと解く
そのココロは、、、
豪華なんだかチープなんだかよくわからない(笑)。

なんとなくどこかが過剰なんですね。
その過剰さが、過剰であるが故にどことなくチープに映ってしまう。
でも、とびきり旨い。


Greatest Hits / Mott The Hoople

卵黄をからめたパラパラの炒飯はそれだけでしっかり旨い。
その上に、エビやイカやカニがたっぷりのあんかけコーティング。ネギも乗ってりゃ9尚上等。
とろっとろのあんにパラッパラの炒飯がからみ、塩っぽさと甘っぽさ、とろとろ感とパラパラ感が口の中で見事に融合し、そこへシーフードたちの旨みとプリプリ食感が追い討ちをかけてくる。
とろっ、パラッ、プリッの三重奏。
そりゃ旨いのは間違いない。
炒飯だけで旨いし、あんかけだけでも旨い。
この豪華な旨さは、ちょっとやりすぎなくらい。
でも、いくら豪華でもやっぱり所詮は炒飯だ。



モット・ザ・フープルの音楽も、どこか仰々しくて大袈裟なんですよね。
コロコロ転がるブギーなピアノのリフに、ぎゅわんぎゅわんのギターとホンクなサックス、リズム隊もオカズが多くてやたらとブレイクやドコドコドコドコとローリングを多用する。
そこへ、泥臭くもギラギラしたイアン・ハンターのヴォーカル。
この人はルックスからして過剰で、もさもさのカーリーヘアに大きなサングラス、胸まではだけたギンギラ衣装に裾の広がったパンツ、さらにハンターの頭文字「H」を象ったギター。
曲の盛り上げかたもあざといくらいに仰々しい。
でも、演っているのはシンプルなロックンロールなのだ。

その一見ミスマッチっぽい組み合わせが、まさに海鮮あんかけ炒飯!

それぞれの違う味覚のせめぎあう複雑なおいしさ。
上品さや奥ゆかしさなど微塵もない、下世話なおいしさだけを追求したらこうなったんだぜ、文句あっか!的な居直り方に、たかが炒飯だぜという肚を据えた矜持すら感じるのだ。










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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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