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音の食卓〈クリームソーダ/かき氷〉

夏休み。
悩ましいことはいろいろあるけど、とりあえずほったらかして、どこへも出掛けないけど心のバカンスを楽しみたい気分。
普段の仕事の日はやっぱりなんだかんだいってもテンション上げなきゃいけないのでロック系の音は必携なんだけど、お休みとなるとゆるゆるで澄んだ心になるようなものをチョイスしたい。

という訳で、昨日から繰り返し聴いているのは薬師丸ひろ子さん。



中高生の頃って、好きなアイドルの写真を下敷きにはさんだり、友人同士で「誰のファンなん。」みたいな会話ってあるじゃないですか。
正直そういうことに全然興味がなかった僕はそういうのがすごく苦手で。
そういう時、「薬師丸ひろ子カード」は最強だった。
聖子派、明菜派、キョンキョン派、一部いた堀ちえみ派、このあたりはバトルやディスりあいに発展する傾向が高かったのです。
そういう話を振られたときはとりあえず「薬師丸ひろ子カード」を切っておけば、相手は黙るのだ。あ、この人は別世界、って感じ。
そういう意味で薬師丸ひろ子さんには大変お世話になりました(笑)。



女優として、シンガーとして、今もすごくいい年齢の重ね方をしている薬師丸さん。
今思えば、当時から自分らしさがどういうものかがわかっていたんでしょうね。

薬師丸ひろ子さんの歌にあるのは、よこしまな気持ちやこう見られたいああ見られたいといった気持ちを一度とっぱらって見た上で、冷静に心の奥にある包み紙にくるまれたようなものをゆっくりと開いていくような感じだと思う。
それは、ちょっとエメラルドっぽく透き通っていて、ちょっと懐かしいような甘い香りがする。
例えるなら、クリームソーダみたいな。
シュワシュワッと炭酸がきいて、ポッカリ浮かんだアイスフロートは甘い。
なんだかんだは置いといて、こういうゆるい美しさにしばし身を委ねていたくなる。



不思議な存在感と独特のゆるさ、という点では、斉藤由貴さんの歌もいいね。



こちらはもう少し天然っぽくて、ポッカリと開いた青空みたいに澄んだ声だ。
中心がないままゆたゆたと漂うような声、甘くてさっと溶けてしまうような。かき氷だな。
シロップをかけると溶けてくずれていく、ああいう切なさや悲しさやそれとは裏腹のあっけらかんとした感じというか。



しばしのお休み、ゆっくりのんびり、クリームソーダやかき氷といっしょに癒されたいと思います。








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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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