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音の食卓〈麻婆豆腐〉

麻婆豆腐はとびきり辛いのが好きだ。
辛いといっても、塩辛さや、唐辛子の喉に来るピリピリした辛さではなく、花椒や山椒のように鼻へ抜けるヒリヒリ感がきいた奴。
辛いというより痛いくらいの刺激的なのがおいしいのだ。
にんにくや生姜もたっぷりで、豆板醤や豆鼓醤のきいた、いわゆる旨辛。
激辛ソースにふんわりまろやかな豆腐との絶妙なコンビネーション。
このクソ辛いのをご飯にぶっかけてガツガツ食らう。
真夏の食欲増進にはばっちりだ。




Eqaul Rights / Peter Tosh

とびきり辛くてとびきり旨い音楽といえば、ピーター・トッシュ。
コーラス・グループ時代からのウェイラーズのオリジナルメンバーで、ボブ・マーリーの長年の盟友だけど、ワールドワイドで平和主義的な路線へ突き進んでいくボブ・マーリーとは袂を分かち、よりローカルに、より過激な武闘派へと進んでいったレゲエ界のアジテーター。



ビシビシ尖ってるし、ガンガンに熱いですね。
世の中の底辺に近い歯ぎしりやら呻き声が聞こえてくる場所から弓矢のように射られるアグレッシヴなサウンドとメッセージは、ずしっと重くて切れ味鋭く、研ぎ澄まされた刃物のような鋭利さ、ドスの利いた迫力がある。
そして何よりもタフだ。
ちょっとやそっとじゃへこたれない、あきらめない、そんな気合いがギラギラしている。そして、それにもかかわらず、どこかゆるい感じがかっこいいのだ。
怒りはあるけれどヒステリックじゃない、どこか余裕があって追い込まれていない。



批判的な意見の表明というのは、出し方がとても難しいですね。
単純に「怒り」と感情的に捉えられてしまうと誰の共感も引き出せないし、かといって根拠を示したいあまり論理的になりすぎても、やはり共感を得ることはできない。
だからと言って意見表明もせず黙っていたら、それは賛成したのと同じことになってしまう。
だからこそ、余裕が必要なんだろうね。
論理的な根拠を交え、感情としての怒りはにじませながらも、それを多くの人が受け止められる形にすること。

いろいろとムカつくことはあるけれど、自爆しちゃいけない。
辛いだけじゃだめなのだ。旨みがないと。
ピリピリと花椒や山椒や唐辛子がきいたあんを、まろやかな豆腐と合わせるように、尖ったメッセージをゆるいレゲエのリズムに合わせるように意見表明できるといいな。








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コメント

[C3434]

BachBachさん、こんばんは。
このところのコロナの対応のこと、オリンピックのドタバタ、ぼやきたいことはいっぱいありますが、なんとなくぼやいても仕方がない感じもして。

ピーター・トッシュはどれもいいっていうか、どれも同じなんですが、このアルバムが一番一曲一曲のクオリティーが高いと思います。
  • 2021-07-25 20:09
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3433]

ご無沙汰しています!
ピーター・トッシュ在籍時のウェイラーズは大好きですが、けっきょくピーター・トッシュさんを追いかけないまま月日が流れてしまいました。どれを聴いていいかも分からなかったもので、すごく参考になりました!

そして、「批判的な意見の表明というのは、出し方がとても難しい」は、まったくその通りだと思いました。怒っているだけだと、最初から同意している人の共感は得られるかもしれないけど、反対側にいる人やまだどちらでもない人を共感させる事がむずかしいんですよね。

暑い日が続きますが、どうぞご自愛のほど!

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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