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音の食卓〈餃子〉

ビートルズがラーメンならローリング・ストーンズはなんだ、っていうと、餃子ではなかろうか、と。

ラーメンと同じく大陸がルーツにありながら島国で独自進化した食べもの。
ラーメン同様に誰もが愛する食べものでありながら、メインストリームではなくどこかサブカテゴリーっぽさが残る。
挽き肉と刻んだ野菜を皮で包むという基本形を頑なに守り、ラーメンほどドラスティックな進化はしない。
そして何よりも、強烈なパンチ、独特の臭み。パリッとした皮の中からあふれる肉汁の食感は少しエロチックでもある。

ローリング・ストーンズの音楽も、基本形はどれも同じだ。
リズムこそファンクやレゲエを採り入れたりはするものの、チャーリーのドラムとキースのギターのリフの上でミックがシャウトし踊るリズム&ブルース。
この基本形がかっちりしているからストーンズはどれを聴いても気持ちいいのだと思う。
奇をてらわず、進歩も成長もせず、愚直なまでに好きな音楽を演り続ける。
それでもまるで飽きないし、いつ聴いても皮はパリッと、肉汁はジューシーで。


Tatoo You / The Rolling Stones



ハンバーグなら牛肉と豚肉の比率は6:4か7:3くらいの合挽きミンチがベストだけど、餃子に使う挽き肉は豚100%が望ましい。
市販の安い餃子で鶏肉メインで豚脂だけを混ぜてコクを出した風のものがあるけど、僕はあれを餃子とは認めたくないのだ。
ちょっと臭みのあるくらいの豚にニラがたっぷり入っているくらいのがいい。


Emotional Rescue / The Rolling Stones




そもそもA級クラスのご馳走じゃない、B級メニューだ。
B級メニューはB級メニューとしての矜持がある。C級になっちゃいけない。
凡百のストーンズのコピーバンドとストーンズが違うのもこのあたりのB級の矜持だと思う。
ワンパターンで自己模倣をしているように見えてそうじゃない、B級としての譲れないラインは守りつつ、安きに流れず暖簾を維持し続けていく矜持がストーンズの音楽にはある。

時々、「ストーンズは世界最高のロックバンドだ」なんて持ち上げまくっているブログや雑誌の記事を目にしたり、普段はストーンズなんてとても聴きそうにない人が絶賛していたりするのに違和感を覚えることがあるのです。
えっ?こんなにおしゃれさや癒しや美しいメロディーとは程遠い、とても臭いがキツイ音楽がそんなに万人に受け入れられるものなの?って。
意外とみんなB級メニューが大好きってことなんだろうかね。





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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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