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音の食卓〈ラーメン〉

「ビートルズはラーメンだ」論。

ラーメンは、ルーツは中華料理だけど、日本で独自の進化を遂げた中国にはない麺類。
ビートルズの音楽のルーツはアメリカのブラック・ミュージックだけど、イギリスで独自の進化を遂げたアメリカにはない音楽。
まずはここが大きな共通点。

ラーメンとロックンロールがたどった歴史もけっこう似ている気がするのだ。

そもそも、ラーメンの始まりは明治時代初期のこと。神戸や横浜などの港町に中華街が誕生し、そこで提供された南京そばに始まるとされる。
1910年(明治43年)には、東京・浅草にラーメンをメインにした庶民的な中華料理店「来々軒」が開店。シンプルな醤油味に黄色いストレート麺というスタンダードなスタイルで関東大震災後に全国に広がっていった。
それが爆発的に広がったのは戦後。
食いぶちとして屋台でを始める人が増え闇市で支持され、モーレツな高度経済成長期に人々に受け入れられる。「支那そば」「中華そば」と呼ばれていたこの食べものはやがて「ラーメン」という名前に定着していった。
日本中どの町にもラーメン屋があるのがあたり前になり、インスタントラーメンの開発とともに家庭でも一気に普及していった。
そして今や国民食。
醤油、味噌、塩、とんこつ、スープも麺線もトッピングもバリエーションに富んでいて、それぞれの地方で特色豊かなものがいろいろと進化、つけ麺だの家系だの二郎系だのと分派も多彩に枝分かれしていった。

このラーメンの歴史をロックンロールの歴史に例えるならば、明治から戦前までの歩みは黒人たちのブルースの歩みと重ねあわせることができそうだ。
戦後の屋台の流行がプレスリーやチャック・ベリー。
ビートルズは町のラーメン屋として開業し、チキンラーメンやカップヌードルを発明して世界中にラーメンを拡散させた立役者ってところだろうか。
初期はチキンラーメン時代、ライヴを止めたあとスタジオにこもってカップヌードルを発明(笑)。その後メンバーそれぞれが独自のスタイルを作り込んで。

いろんなスープやいろんな具材を採り入れていったのもビートルズの功績だ。
そして、ビートルズが拡げた音楽はスタンダードになり、かつそれぞれのフォロワーによってたくさんの流派を生んでいった。。。

チキンラーメン時代。




「Revolver」あたりからが、カップヌードル時代でしょうか。




労働者階級に愛されたものがやがて国民食になっていくという過程も含めて、文化としてのラーメンとビートルズには多くの共通項があるのではないか。

そして何よりも、老若男女からの愛され方。
クラシックや現代音楽のようではなく、あくまで大衆の側にある親しみやすさ。
そこがビートルズもラーメンも偉大なところなのではないか、と思ったのです。







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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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