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財布紛失顛末記

あれっ???



最初に気づいたのは、最寄りの駅の改札を出ようとしたときだった。

ズボンのお尻のポケットに入っているはずの財布がない。。。

かばん?上着?

ガサゴソ、、、

やっぱりない。。。

・・・

脳みそは高速回転でここまでの道のりを遡る。

そもそもICOCAで駅に入場しているのであって、改札を通るまであったのは疑う余地がない。

そのあと駅でトイレの個室に入った。

そこでズボンを下ろしている。

あぁ、あのときか。

そういえばズボンを履くときにポケットに違和感はあった。あのとき引っ掛かって転がり落ちたのか。

時刻は21:45。電車に乗ったのは21:10頃。まだそんなに時間は経っていない。

すぐに駅事務所へ向かい、事情を説明し、乗車駅の駅員さんにトイレを探してもらうようにお願いをした。

併せて、もうひとつの可能性として、今乗ってきた電車の座席も確認してもらうよう依頼した。



数分後、返ってきた答えは、いずれも

「見当たりません。」

駅にも届け出は出ていないそうだ。

忘れ物センターはすでに20:30で閉まっている。



とりあえずその夜は、その足で派出所へ向かい、遺失物届けを提出した。

それが水曜日。

財布に入っていたものは、運転免許証・ICOCA・クレジットカード・キャッシュカード・健康保険証・会社のカードキーとタイムカード・いくつかの会員証やポイントカードと領収書・現金が2万と数千円。

その夜のうち、念のためキャッシュカードとクレジットカードは使用停止の申請を済ませた。



さて、どうしたものか。

僕が拾った側ならどうするかを考えてみる。

ま、届けるだろうな。

そもそもキャッシュカードもクレジットカードも素人の技術でそう簡単に悪用できるものではない。暗証番号の手がかりになるようなものは財布にはない。

免許証や保険証云々を一切紛失したこのどんくさいおっさんはさぞかし困っているだろう。

ただ、届けようにもこの時間、忘れ物センターはもう閉まっている。駅員の姿もまばらだ。警察へ行くか。それはそれで面倒くさい。第一また改札を出なければいけない。

翌日に回すという選択肢はあり得ないわけではない。

とりあえず今晩は待つしかないな、そう思いながら眠りについた。



さて、翌木曜日。

朝一で駅の忘れ物センターへ届け出を行う。

現時点では届いていない。

総務部へ行き、紛失を報告し、お目玉をちょうだいしつつもカードキーの使用停止処理と再申請、タイムカードの再申請。

お昼に忘れ物センターへ連絡。未受理。

夕方17:00、同。夜19:30、同。

さすがに不安がもたげてくる。

夕べの時点では、返ってくる7:返ってこない3くらいで「現金はなくなっていたとしてもカード類は返るだろう」と楽観していたのだが、一気に2:8くらいになった。



再び、僕が拾った側ならどうするかを考えてみる。

普通は翌日には届け出るな。

翌々日まで引っ張ると逆に申し出しにくい気分になる気がする。水曜日に拾ったのになぜ今?的な。

日本人はこういうお互い様的なモラルはかなり高いと思っていたのですが、うーん、夜中・個室・拾得者は100%男性、となるとその比率は下がってしまうのか。

自分なら絶対届けるけどな。

モラルとか善意とか以前に、わけのわからないおっさんの身分証明書なんて持ってたくないし、どこのどいつだかわからない奴の恨みなんて買いたくもない。

例えば金に困ってて、現金は抜いたとしても、しれっと「お金はなかったっす。」とか言って届けるんじゃないかと思うんだけど。



金曜日、進展なし。

あきらめる。

免許証の再交付は即日発行してもらうためには平日じゃなきゃいけないので、月曜日午前に半休をもらうことにする。



月曜日、朝から免許センターへ。

その足でようやくICOCAも再発行手続き。身分証明書が必要なため、免許証もらえるまで手続きできなかったのだ。



あーあ。

いろいろめんどくさかった。

まだ、キャッシュカードとクレジットカードの再申請が残っている。

あ、TSUTAYAや図書館のカードも入ってたな。







こういう不幸な目にあったとき、僕が100%の善人だったなら、きっと神様を恨んだだろう。

「あぁ、神様、私は常日頃、世の中のために善行を施しているのに、どうしてこのような仕打ちをなさるのでしょうか。」

とかなんとか。

でも、善人じゃないので、そうは思わない。

「うぬぬ、この罰は、いつの悪行によるもの?」

ってな感じだ。

胸に手を当てれば、やましいことはいろいろある。

罰が下っても仕方ないのだ(笑)。



っていうか、実際のところ、善行悪行の量と、幸福不幸の量は比例しない。

どう生きたところで、いいことも悪いことも等分で起きるのだ。

そう思ってりゃ、大したことでもない。





でも、、、

実際のところは凹みましたよ。

自分のどんくささ加減に。



勇気を回復できたのは、その夜聴こえてきた、この歌のおかげでした。



♪大人だろ、勇気を出せよ~



清志郎に感謝。






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コメント

[C3426]

名盤さん、ご心配ありがとうございます。

なかなか性善説の分が悪いですよね。
ドライというか、イマジネーション不足というか。
残念ながら出てこず、いろいろと再発行も済ませたのでもうあきらめました。

ブログに書こうと思ったのは、この曲をアップしたかったからだと思います(笑)。



  • 2021-05-23 17:38
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3425]

その後財布は戻りましたか?
財布を落としたことはないですが、拾ったことはあります。
届けて、後日お礼にお菓子貰いました。
一般的に考えて悪用するのは、なかなかハードルが高いと思います。
しかし人によっては届けるのにもハードルがあるように思います。
性善説が年々劣勢な今日この頃だと感じています。

このRCの曲、すごく良いですよね!

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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