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♪天使の羽根につつまれて眠りたい

風邪をひいてしまった。それもけっこう激しく。
先週末から、節々が痛む→頭痛、発熱→喉荒れ、咳き込み→鼻水、くしゃみ→下痢、と風邪の症状をフルコースで味わって、ようやくましにはなりかけたもののまだ喉は痛いし鼻水は止まらないし。
風邪くらいで仕事で迷惑かけたくなかったから少し意地張って無理したのも長引いて悪化した原因かもしれない。こんなに病弱ではなかったのに、風邪なんて気の緩みだと豪語していたのに、まぁ実際気も緩んでいるところもあるのだけれど、やはりいつまでも若くないな、と思った。

風邪引きのときに聴ける音楽はとても限られている。
たいていの音楽は、うるさくって聴いていられない。
でも、二日も寝込んでいると、さすがに退屈。
さて、風邪引きのときに聴ける音楽ってどんな音楽だろう。

まずビートが体に残らないこと。
メロディが美しいこと。
やわらかいソウルにつつまれていること。
音数はできるだけ少ないほうがいい。
録音はできれば古臭いめのほうがいい。
聴いている途中でそのまま眠ってしまいそうで、聴いた後にはさっぱりとした感覚が残ること。

天使の羽根につつまれて、ぐっすり眠りたい。
目が覚めたら、喉の痛みも鼻づまりも全部治まってくれていたらいいのになぁ。

     
Quartets  Steppin' on the Blues SUPER FOLK SONG

First Meeting  ネヴァ・セイ・ユー・キャント・サヴァイヴ+1(紙ジャケット仕様)
  

この二日間、聴いていたのはこんな音楽たち。
ビートが体に残らない、やわらかいソウルにつつまれた5枚。

Quartets/Stan Getz
スタン・ゲッツが吹くのは、まさに天国のメロディ。
流れるように紡ぎ出される繊細なフレーズ。ソフトでデリケートでなんともあたたかみのある音色。
その儚いくらいの美しさにただ身を委ね、別の世界へ連れて行かれる。

Steppin’ on the Blues/Lonnie Johnson
戦前ブルースはあまり詳しくはないのだけれど、少し弱った時には古い録音の音楽がとても心地よい。
ロバート・ジョンソンじゃあまりにも陰鬱すぎるから、ここはロニー・ジョンソンで。華麗で繊細なギターが、頭痛の頭にしみる。

SUPER FOLK SONG/矢野顕子
凛として聡明で、張りつめた緊張感が漂う顕子さんのピアノと歌。
まるで冬の夕方の空のようにキリッと澄み渡っている。
白い息をふぅぅっとふきかけて掌を温めるような佇まいの歌が並ぶ。

First Meeting/Miroslav Vitous
いかにも北欧のレーベル・ECMらしい、透きとおった静けさと薄くどこまでも続いていくような広がり感のある音。ミロスラフ・ヴィトウスさんのベースはなんともいえない詩情があって好き。

Never Say You Can’t Survive/Curtis Mayfield
風邪を悪化させないために必要なものは適度な湿気。喉や鼻を乾燥させちゃいけない。
カーティスのこの時期のメロウなラブ・ソングは、適度な湿気があって潤います。
弱ってしまったカラダとココロに浸みこみながらすこしずつ滋養を与えてくれるのです。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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