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音の食卓〈とんかつ〉

じゅわじゅわじゅわっと音を立てて、鍋の中でとんかつが揚がる。
こんがりとキツネ色で元気よく立ち上がった衣に包丁を入れると、ザクッザクッと小気味の良い音がする。
やわらかなロース肉が衣から顔を覗かせる。
付け合わせは当然千切りキャベツ。
とんかつソースをとろっとかけて、その一切れを口に運ぶ。
サックリした衣の歯ごたえ、ジューシーな肉汁と肉の旨み。

揚げたてのとんかつほど旨いものはそうそうない。
少なくとも、肉系軽量級メニューの中ではチャンピオンだと思う。



とんかつの軽快さや小気味よさは、ロックンロールだ。
青空の似合うポップなロックンロール。
油ものなのでそれなりのこってり感もあるところはブリティッシュロックよりもアメリカンロック、R&Bの影響の強い南部の泥臭いロックンロールというところだろうか。
例えば、C.C.Rなんてそれっぽいんじゃないかと。


Chronicle:20 Greatest Hits / C.C.R

ポップヒットを連発したC.C.Rは、やっぱりベスト盤が一番。
Proud Mary、Who'll Stop The Rain、Have You Ever Seen The RainといったいかにもC.C.Rなカントリーっぽい代表曲はもちろんなんだけど、Traveling BandやUp Around The Bend、Sweet Hitch-Hikerみたいな小気味良くかつ泥臭いロックンロールがかっこいい。
とにかくご機嫌で楽しいアルバムだ。



ジョン・フォガティの暑苦しくも朗らかなシャウト、泥臭いギターも音色そのものは明るくて、刺々しさや攻撃性はあまりない。
牛肉ほど濃厚ではないし、かといってそれなりの重厚感は鶏肉ほど軽くもなく、そのあたりが豚肉認定要素。
つい鼻歌で出てくるような軽快なメロディーに、能天気なくらいのほほんとしたリズム隊ののどかな音がリズミカルな揚げ音や歯ごたえみたいで、時折はさまる重くてブルージーな曲が油ものの濃厚さも醸し出したり。
なによりこの軽快さがとんかつの感じなのだ。









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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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