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世論調査、もしくはリーダーにとって大切なこと

夕べ、ある新聞社からイエ電に電話がありました。
「無作為抽出した電話番号から、世論調査への協力をお願いしている。」とのこと。
よく世論調査の記事に「無作為抽出による全国1000名の対象者に電話で回答」などと注釈がありますが、あ、ほんとに電話で聞いてるんや、と妙に納得しました。

訊かれたのは、現内閣を支持するか、とか、現内閣の新型コロナ対応についてどう思うかというもの。用意された選択肢の中から近いものを選ぶ方法で回答する。
現内閣は支持しない、コロナ対応は遅い、不十分、飲食店や病院への罰則は不要、などとと答えました。
ブログではあまり政治的な話はしないのですが、今の総理大臣は国のトップとしては非常に残念な対応を繰り返しているとしか言いようがありません。
出てくる言葉の端々から、所詮この人は、事務方のトップはできてもリーダーの器ではない、と思わざるを得ないところがあります。
カリスマ的なリーダーがほしいわけではないけれど、トップとしての発信力があまりにも低い。説得力がない。平常時ならまだしも、危機にはあまりにも頼りない。



僕は、カタログを通じて商品を提供する仕事に従事しているのですが、4月の第一波のときに、商品の注文が殺到した結果、メーカーの製造が追いつかないという事態が発生したことがありました。
物量が急上昇し物流センターもパンク、配送トラックもパンパン、コールセンターには苦情殺到。
緊急対策会議が召集され、「一週でも早く、調達不安のある商品は外すか価格を変更せよ」との方針が専務より出されたものの、この時点で既に翌々週配布のカタログまでは印刷が終わっていたのです。
「最短でも3週先になります。翌週受注分は配布済み、翌々週分ももう刷り終わっています。」
と報告すると、
「まだこの先3週も今の状況が続くのは遅すぎる。印刷済み分は破棄して刷り直せば間に合うだろう。」
「いやー、かなり厳しいかと。」
「どうしても間に合わないか、印刷元へ状況を説明し調整しなさい。」
「仮に可能でも再印刷すれば300万はかかります。」
専務はこう言いました。
「このままの状況が続けば顧客の信頼が損なわれる。現場も疲弊する。対応が遅れていくことでの損失を考えれば大きなロスではない。」
当然印刷元は当初難色を示しましたが、専務の言葉を伝えて説得し、結果として再印刷を実行、翌々週以降からは物流センターや配送での物量は緩和され、苦情件数も落ち着きました。
この経験は大きな学びとなり、その後の第二波、今回の第三波ではこの経験を踏まえた対策を予め準備することができ、大きな混乱を防ぐことができたのです。



事務方というのは自分の責任範囲の中で、現状の中でできる範囲の対応策しか練ることはできません。
通常の対応ではできないことをやる時には、リーダーの強い判断が必要で、その向こうには組織として何を一番大切にするのかという哲学が必要です。
専務は脂っこいおっさんで普段どちらかといえば苦手なタイプなのですが、このときはさすがに事業のトップとしての器の人物だと納得したのです。

現総理大臣の言葉からは、残念ながらそういうものが全く見えてこない。
そもそも「丁寧な対応をしていきたい。」というものの、何をどのように説明していくのかがまるで丁寧ではない。まるで具体的ではないし、考え方が定まていない。
こんな形骸化した空虚な物言いがいつから通用してしまうことになったんだろう。

「引き続き緊張感を持って、事態を注視していきたい。」
・・・そんなの当たり前だって。
「仮定のことについては、私からは答えを差し控えさせて頂きたい。」
・・・それは危険予測も想定もしないっていうこと?普通の会社で社長がそんなこと言おうものなら何の対策も立てられない。
「一日も早く収束させ、安心して暮らせる日常が取り戻せるよう、全力を尽くします。」
・・・だから、当たり前だって。何をするのかがわからないのにどうして全力が出せるんだって。

これらの木で鼻をくくったような総理大臣の答弁は、状況を判断して事態を動かすべきリーダーの言葉としてはあまりにも空虚だ。
何の解決へのメッセージにもならない。っていうか、逆に「政府は何もしない、危機感も感じていない。」というメッセージにすらなってしまう。それどころか「所詮庶民が騒ぎすぎるなよ、うるさいねん、そのうち収まるねん、相応の犠牲はしゃーないやろ。」とさえ思えてしまう。そんなつもりがないにしてもそう受け止められても仕方がないメッセージだと思うのです。
この国のトップは、何を一番大切にしているのか。
今までの言葉から見えてくるのは、大切なものは自身の立場の保身、党の支持率。支持率を支えているのは経済界だという認識。
ズレまくりだ。
早く降りてもらったほうがいい。
それともバックにいる党の人たちは、世間の混乱や野党の体たらくに乗じて、この評判は悪いが強気なおっさんに粗っぽいことや批判を浴びることを全部押し付けるだけ押し付けてしまおうという魂胆なのだろうか、と勘ぐってしまいたくもなる。



そんなわけでの世論調査。
支持率がより下がれば、もう少し総合的・俯瞰的な対応を実施する気になるだろうか。自助・共助・公助のウエイトを見直すつもりになるだろうか。
今さらあんまり期待できそうもないな。




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コメント

[C3430]

ピーチさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

この記事を書いたのは半年前ですが、その後一向に前進がありませんね。

この国のトップは、何を一番大切にしているのか。

オリンピック選挙、なんでしょうかね(苦笑)

野党も頼りないので難しいところではありますが、この人交代させるには、次の選挙政権政党に投票しないことでの意思表示しかないでしょうね。。。

清志郎さんは、生きていたら今どんな歌を歌ってくれるのかな、って思ったりします。
  • 2021-06-17 22:14
  • goldenblue
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  • 編集

[C3429] はじめまして。

はじめまして。ピーチと申します。本当に日本の政府には失望ばかりです。特に総理大臣ですが、何故この人なのか全く理解できません。
がっかりしていたら、この歌です!1989年の歌なのですか。私は全く知らなくて。。なんと普遍的な内容の歌詞でしょう!特に今の総理大臣にピッタリ過ぎて驚きました^^; この人を辞めさせたいですが、出来ないなら、本当に外国に行ってもテレビに出ても恥ずかしくないように、アメリカに行っても見劣りしないように誰かプロデュースしてよと言いたいですよ。
  • 2021-06-17 20:45
  • ピーチ
  • URL
  • 編集

[C3406]

Colさん、コメントありがとうございます。
確かに、トップが頼りない分、国民が冷静になるという面はあるかも知れませんね。
この人への失望の反動で、トランプみたいなわかりやすく雄弁なリーダーを求めるようになるのもそれはそれで怖い。
  • 2021-01-25 07:32
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3405]

goldenblueさん
まったく仰る通りです
メルケル首相がクリスマス前に国民に訴えた映像などを見ていると「国のトップとしての覚悟がちがうよなあ」と思ってしまいます
「その分、国民がしっかりしなきゃ」という意識は高まりますが、、

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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