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Bare Trees


もう12月も半ば、すっかり冬の空。
爽やかな秋の行楽も紅葉も楽しまないうちに、赤や黄色の葉は落ちて街路樹は裸んぼ。

この季節はどうも苦手なんですよね。
どんよりした空と冷たい風は、心を塞いでいく方向に作用する。
いろんなことが億劫になって、ただひたすらあったかい布団で眠っていたくなる。



裸の街路樹を眺めていて、こんなジャケットのアルバムが確かあったと思い出したのが、フリートウッド・マックの「枯木」。


Bare Trees / Fleetwood Mac

1972年、ピーター・グリーンが去って、ボブ・ウェルチとクリスティン・マクビーが加入した時期の作品で、原題は「Bare Trees」、Bareはむき出しになった、というような意味だ。
3人のソングライターがそれぞれにいい持ち味を発揮して、ブルースっぽさとポップさがちょうどいい感じでブレンドされている。
熱量としては控えめだけど、力みが少ない分、ぼんやり聴き流すのにはちょうどいい。



ところで。

落葉樹が冬に葉を落とすのは、弱ってしまったからではない。
むしろ、樹木そのものが枯れないようにするための生存戦略なんだそうだ。
葉っぱは光合成をして樹木に必要な栄養を作り出す大切な器官だけれど、一方でエネルギーをたくさん使い、根から吸い上げた水分を蒸発させてしまう。
乾燥して十分に水分を吸収できない冬は、葉を落としてしまうことで代謝を減らし水分を逃げにくくする、そのことで樹木そのものを維持する。
落葉とはそういうメカニズムらしい。
そもそも冬は日照時間が短いため、光合成を行うプラスよりも、光合成にかけるエネルギーを減らしたほうが結果としてエネルギーの収支があう、ということもあるようだ。



いよいよ寒さも厳しくなってきて、本気の冬だ。
ましてやコロナの嵐が吹き荒れる冬。
葉っぱを落として樹木そのものを守る、今はそういう時期なのだろう。
エネルギーを得るための活動は控えめにして、低収入低支出で乗り切る冬だ。
ぼんやりした音楽でも聴きながら、のんびりやるのがいい。








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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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