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音のパレット番外編 ローリングストーンズのいろのうた

ビートルズに続いて、ストーンズの色の歌をピックアップしてみた。


■Paint It Black
66年『Aftermath』収録。
黒という色の持つ魔力。
“赤いドアを見ていたら黒く塗りたくなった”とか“緑の海はもう深い青色に戻ることはない”とか、色彩感が効果的に使われ、語り手の闇の深さをうまく表現している。


■Brown Sugar
71年『Sticky Fingers』収録。
ブラウン・シュガーとはへロインの隠語なんだそうだ。



■Little Red Rooster

65年『Rolling Stones Now』収録、ハウリンウルフのカバー。
“俺は小さな赤い鶏、朝はさぼって昼間に鳴く。農場のあらゆるものをめちゃくちゃにしてやるんだ”
赤い鶏というキーワードが、荒れた農場のヴィジュアルをイメージさせる。


■Blue Turns To Grey
65年『December Children』収録。クリフ・リチャード&ザ・シャドウズに提供した曲のセルフカヴァー。
恋人が離れていったあとの心情を“青が灰色に変わった”と例えている。


■Silver Train
73年『Goats Head Soup』収録のシンプルなロックンロール。ミック・テイラーのスライドギターと、汽笛を模したハープが印象的。
“銀色の列車がやってくる、俺はそれに乗っかるよ”っていうような歌だけど、シルバートレインというのは、どう考えても性的なものの暗喩のようだ。


■Everything Is Turn To Gold
79年シングル“Shattered”のB面曲で、後の『Sucking in 70s』というアルバムに収録の骨太なファンクナンバー。
turn to goldは何かの慣用句かと思ったのだがそうでもないようだ。
“すべてが黄金に変わっていく”というのは、触れたものをすべて黄金に変えるギリシャ神話のミダス王の伝説みたいだな。関連があるのかどうかは、よくわからなかった。



こうやって数曲並べてみるだけでも、ストーンズというバンドは臭いがきつい。老若男女の誰からも支持されることなど最初から目指していない、コアに偏ったバンドだと思う。
毒々しくアンモラルな歌詞と、泥臭い音。
こういう音楽を演るバンドが世界一のロックバンドと奉られるのは、誰も本質なんてスルーして世間の評判に乗っかってるだけなのか、それとも世界がよっぽど狂っているのか、そのどっちかしか考えられない。
もちろんこれは、ストーンズを讃える言葉だ。






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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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