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音のパレット〈小麦色〉

穏やかな気候には、アコースティック・ギターの音色が心地良い。
爽やかな秋の風に、涼しげなアコースティック・ギターが響く、その心地良さ。

アコースティック・ギターの音色が心地良いのは、木の響きがするからだろう。
温かいというか、温もりがあるというか、ナチュラル、自然体で響く音。
そこに、ちょっと線の細い女のひとの歌声なんかが乗っていると、より心地良い。
見渡す限りの平原。その平原にそよぐ風のように、ただ鳴っている音楽。

フォークやカントリーのことはあまり詳しくはないけれど、景色が広い音楽というのは、心も開放的にさせてくれる。
大きく深呼吸をして、くさくさしたことを風に乗せて流してしまうような。
あるいは、忘れてしまった小さなときめきをそっと思い出させてくれるような。


Other Voices,Other Rooms / Nanci Griffith

そんなナチュラルな音楽としてけっこうお気に入りなのが、ナンシー・グリフィスさん。
色白の文学少女のようで、実はやんちゃでけっこうお転婆っぽくもある。
子供の頃から、自然と親しんできたようなおおらかさが彼女の音楽にはある。
繊細で細やかな一面と明るくてオープンな一面が、平原を吹く風と畑で揺れる小麦やトウモロコシのように歌の中でそよいでいる。



ナンシーさんの音楽に似合う色は、小麦色とか、きつね色とか、黄土色、オーカー、そういう明るい茶系色かな。
メイプルのギターのボディのような。
あるいはテキサスの片田舎のじゃじゃ馬少女の髪の色のような、そんな明るいライトブラウン。

このアルバム“Other Voice,Other Rooms”は、フォークソングやカントリーのカバー集。
といっても収録曲で知っていたのはボブ・ディランの“Boots of Spanish Leather”とウディ・ガスリーの“DoReMi”、くらいなんだけど。
先人たちの仕事に敬意を表すような、ささやかで謙虚な感じもとても素敵だ。








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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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