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音のパレット〈エメラルドグリーン〉



夏の朝
ぽとりぽとりと
朝露の滴がしたたるように
ゆっくりとゆっくりと
朝顔の花が開いてゆくように
できるだけ穏やかな気持ちで迎えたい

頭の裏側で
かすかに聴こえてくるのは
異国人たちの管弦楽団
カワラヒワの羽根のやわらかさと
冷たい水の硬さ
芝生の潤いと
ショウリョウバッタの賑やかさ
叢に埋もれたビー玉が
朝露に濡れてエメラルドに変わる


Apple Venus Vol.1 / XTC

フリューゲルホルンを抱えた
アブラゼミの大群が
“ソーダ水よりミネラルウォーターを”
“ソーダ水よりミネラルウォーターを”
“できればヴィッテルよりエヴィアンを”
“できればヴィッテルよりエヴィアンを”
そんなシュプレヒコールをあげて
行進していくのを見送ったとき
孔雀の羽根が空へ舞い降りた
緑色の瞳の少女
片手にはマシンガン
もう片方の手にはウシガエル
穏やかな夏の朝とは裏腹の
不安定に散乱する光の束



しくじった夢に
うなされて目を覚ませばまだ夢の中
遠くの小さな鉄橋を渡る電車の車輪に
トランペットのこだまが重なる
夕べの海亀の涙は
叢のカヤツリグサの足元で
エメラルドに光る
夏の朝








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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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