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Driving with Mr.Bob


Greatest Hits / Bob Seger

このところ・・・
そう、もう3~4ヶ月の間ずっと。
ドライブのお供はボブ・シーガーだ。

アメリカの広いハイウェイをひたすら走っているような景色の開けたサウンド、朴訥とした中に熱いハートと男の哀愁を感じる歌は、素直にとてもかっこいい。
車の運転というある種の抑制を求められつつ移動の自由を体感できる行為にはとてもよく合う。

しかし、いくらボブ・シーガーがかっこよく、車の運転に合うからといって、3~4ヶ月もの間ずっとボブ・シーガーをカーステレオに入れっぱなしなのには、それなりの理由がある。
人間の行動にはいつも大なり小なりなんらかの理由を見つけることができるものだけど、今回の場合、その理由は至ってシンプルだ。



カーステレオのトレイに、CDが引っ掛かってしまって、出てこなくなってしまったのだ。



ejectボタンを何度押しても出てこない。
しばらくの間、ウィーンウィーンウィーンとなにやら音がして、それからバタリと止まってしまう。
電源切ってもだめ、叩いてもだめ。
ウィーンウィーンウィーン、バタリ。
ウィーンウィーンウィーン、バタリ。

だめだこりゃ。

最初は「まぁ、いいか。ボブ・シーガーはなかなか悪くないよ。」と思っていたのだが、だんだんと「ううむ、今日もボブ・シーガーか、、、。」という気分になってきた。
車屋さんへでも持ち込めばきっとなんとかなったりするんだろうけど、なんとなく気分がのらない。
そこまでするほどのことでもないだろう、という気持ちがひとつ。
それから、もし車屋さんで治らなかったときのことを考えるととても恐ろしくて、というのがひとつ。
「あー、これは無理ですねー。」
とか言われた瞬間に、この先一生ボブ・シーガーなのか?!という絶望感に襲われそうだからだ。
それはまるで額にボブ・シーガーと焼き印を押されるくらいに恐ろしい。

かくして、そういう恐怖を心の底に忍ばせながら、月に3~4回、運転するたびにボブ・シーガーを聴いているというわけなのだ。




音楽は精神に少なからずの影響を与える。
ずっとボブ・シーガーを聴いていていいなと思えるのは、だんだんと自分が実直な男になった気がすることだ。

言葉数は少なく余計なことは喋らない。
人当たりはよく、思いやりがあって優しく、しかし目の奥には厳しさや野性味があって、人生の酸いも甘いも知った慈味に富んでいて。
そんな男になった気がしてくる。

勘違いだけど、そういう気分は悪くない。
詰まったCDがプリンスだったら。レッド・ツェッペリンだったら。
おそらくそういう気分にはならないだろう。
或いはスミスやザ・キュアーだったら。
或いはジェームス・ブラウンやファンカデリックだったら。
そういう音楽をいつも浴びていると、きっと(個人的にはともかく)社会生活的には不適合な人格が立ち上がってしまいそうだもの。

音楽は精神に少なからずの影響を与える。
とりあえずはボブ・シーガーでよかったんだろう、と、とりあえず自分を納得させながら、この週末もまたボブの歌をお供にハンドルを握るのだろう。
嗚呼、“Still The Same”。









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コメント

[C3384]

BachBachさん、こんにちは。
いつもマッドマックスだとバリバリムキムキになりそうですね(笑)。
  • 2020-07-06 07:34
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3383] 僕も

同じ理由で、観る映画がずっとマッドマックスだったことがあります(^^;)。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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