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音のパレット〈赤〉

色に音はある・・・のか?
音に色はある・・・のか?

広告制作系の仕事をしていると、色をどう使うかは受け手に与える印象に大きな影響があることを実感することがある。
安さをアピールして購買意欲をかきたてたいならやはり黄色や赤だし、落ち着いた暮らしを提案したいのならシックな色づかい、和風なら木目調や濃紺、洋風ならオレンジやライトグリーン、春なら、冬なら、、、伝えたいメッセージによって色づかいは変わる。
これはもう理屈ではなく色から受け取る感情が人間にはあるということだ。

音楽もまた心の様を表現するものであり、音の印象によって受け手の感情は左右される。

ならば、色にも音があるのか?
音にも色があるのか?
少なくともどこかで共通するものはあるだろう。

赤い色を選びたい気分と、赤っぽい音を聴きたい気分。
青い色を選びたい気分と、青っぽい音を選びたい気分。
そういうものは確かにある。

ということで、思いつくままに、色から呼び起こされる音、あるいは音から感じた色のことを少し書いてみたいと思う。



第1回は赤。
赤という色は基本的には、意欲を掻き立てる色だ。
語源としては、「明るい」の「あか」に由来していると聞いたことがあるけれど、情熱的でポジティブでエネルギッシュなイメージ。つまりは、内側ではなく外側に向けて放出される色だ。
存在感があって、強く周りを惹き付ける色。注意換気を促す色。
だから警戒色に使われるたりもする。
また、正義の色、という印象もある。正義の色、ヒーローの色。戦隊ものではだいたい赤がリーダーであるように、主役の色だ。

さて、自分がイメージする「赤の音」といえば、これだ。
ARBの「BOYS AND GIRLS」。


シャープな田中一郎のギター、うねるサンジのベース、シンプルにビートを刻むキースのドラム、そして熱く吠える石橋凌。
甘さ一切なしで、世の中へファイティング・ポーズを取り続けるARBこそは、ロックバンドの中のロックバンド。
パッとしない毎日を送っていた高校生の頃に夢中になった一枚。
カセットテープをウォークマンに突っ込むのは、リボルバーに弾丸を詰めるのと同じ感触なのだと思っていた。引き金にかけた指に力を込めるようにヴォリュームをMAXにして石橋凌といっしょに叫びまくっていた。
何もかもうまくいかない、今すぐにここを飛び出してしまいたい、そんな怒りや苛立ちを、ぶっとばしてしまいたいユウウツを、目つきを変えて虚勢でつっぱねようとしていた十代後半に、ARBの音は心のダイナマイトみたいなものだった。



“塀を飛び越えてみろ”
“したたかに吠えてみろ”
熱く、エネルギッシュでタフなメッセージ。
内側をえぐって外側に向けて放出されるパッション。
真っ赤に燃え上がっている。

「赤」は自分のキャラの色ではない。
でも、だからこそ、高校生の自分が憧れたのがわかる気がする。





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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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