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座右の名曲(12) Stay Free

The Clash
Stay Free




座右の名曲シリーズ、とりあえず今回がラスト。
12曲だとちょうど昔よく作った46分カセットの編集テープみたいでいいんじゃないかと。

最後はやっぱり、かっこいいロックンロールで行こう。
クラッシュの“Stay Free”。
セカンド・アルバムでミック・ジョーンズが歌っていた曲だ。
青春時代を共に過ごした友人が、大人になっていく過程で方向性が違ってきて、お互いの道を歩むようになっていくことを、少しの甘い感傷を込めて歌った曲。
物語だけを取り出せばまるで尾崎豊なんだけど、そのストーリーについてはどうでもいい。
僕が大好きなのは、ラスト、一人で立ち向かっていくことを決めた主人公が宣言する言葉。

Go Easy
Step Lightly
Stay Free


高校卒業の頃に知っていたら、きっと寄せ書きにこの言葉を書いただろうな(笑)。
宣言するといっても、胸を張って高らかにではなく、苦しみから絞り出すようにでもなく、なんていうんだろうか、少しシャイに、うつむいた顔を少し上げて自分自身に言うように歌われるその佇まいを含めてかっこいい。
これは、ジョー・ストラマーが青筋立ててがなるのではここまで響かない、ミック・ジョーンズだからこそのかっこよさなんだと思う。

Go Easy
Step Lightly
Stay Free


人生もとうに半ばを越えて、なかなかそうそうなんでもかんでも、イージーにライトリィにフリーに、とはやりにくくはなってきた。
少なくとも今はまだ、失えないものの方が多い。そのために我慢をすべきことも少しはある。
だからってそれにしがみつくのはあんまりかっこよくないし、そもそも先方からお払い箱にされる可能性だってあるんだし(笑)、だからこそ、この言葉をいつもイメージしていたいもんだな、と。

Go Easy
Step Lightly
Stay Free



Give'em Enough Rope / The Clash





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コメント

[C3362]

Bach Bachさん、ご無沙汰です。
そう、クラッシュの歌詞って、けっこうそういうとこありますよね。
95%断言で押しながら、最後に「でもほんとにそうか?」とか「俺はそう思うけど、あとは自分で考えな」みたいに突き放すようなとこ。

このアルバムはわかりやすいハードロック風で単純に好きです。
  • 2020-04-14 20:31
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3361] クラッシュは

クラッシュ、僕は音楽は肌に合いませんでしたが、詞は考えさせられるものがいくつもありました。思考停止なのではないかと疑ってしまう今の日本のマジョリティーと違って、常に「本当にそうか?」と自分で考えている感じが好きでした。久しぶりに聴いてみようかなあ。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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