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座右の名曲(4) One Track Mind

Johnny Thunders and The Heartbreakers
One Track Mind




When I was born, I hada think up a song
To live like I wish I had to flop like a fish
In the confusion I made an illusion
I spit out a track And I don't look back

I Gotta One Track Mind
I Gotta One Track Mind
I Gotta One Track Mind
Over You

生まれ落ちたその時に 
こんな歌を思いついてた
魚が飛び跳ねるみたいに 
生きていきたいだけ
混乱の海から幻惑を生み出し
路上に唾吐いて 何にも振り返らない
そんな感じ、ええやろ
そんな感じでいったんねん


うーん、かっこいい。
いかがわしくも純粋で、ひねくれまくるくらいに真っ直ぐで、ヘロヘロなのにパワフルな、これこそロックンロール!と言い切りたくなるようなロックンロールの塊。

18の頃、この歌は僕のテーマ・ソングだった。
そして、ここぞというときにキアイ入れるための、いわば「勝負ソング」だった。
好きな女の子をデートに誘おうと決心した日に。
大嫌いだったアルバイト先を辞める前の日に。
アルバイトで貯めた金で家を出ることを決めた朝に。
そんな、びびってしまって流されてしまって一歩踏み出すのを躊躇しそうな自分に喝を入れるために、自分自身を鼓吹するために、ヘッドフォンで大音量で聴いていたのだ。
自分の中の弱気と不敵との葛藤を、弱気に流されそうな自分に負けないように、気持ちにガソリンを注入するみたいに。

上手いとか下手とかやない、理屈やない、どんだけ振り切ってしまえるかなんや、自分が思ったとおり感じたとおりに吠えまくり叫びまくればええんや、とジョニー・サンダースが歌っている。
このビート感を自分のものにしたいと思った。
ギラリとした輝きと切れ味を自分のものにしたいと思った。
そんな18才。
今から思えばたいしたことでもないことに、びくびくしながら、でも何とか何かを踏み出そうとしていたのだった。

音楽は不思議なもので、今聴いてもその頃のリアルな気持ちがすぅーっと甦ってくる。
あの頃の方が良かったとか戻りたいなんて感慨は一切ない、むしろ二度と戻りたくはない。
けれど、ジョニー・サンダースを聴いている時、僕は今も18歳なのだ。
迷ったり日和ったりしそうになったとき、ジョニーが蹴りを入れにくる。
おい、おまえ、18の頃のこと、忘れたのか、って。

50も過ぎると、誰からもお説教されたり叱られたりしなくなって、きっとその代わり諦められたりするのがちょっと淋しかったりもする。
だからときどきそうやって、若い頃の自分にケツをあおられたりするのがちょっと楽しかったりもする。

ロックンロールなマインドは、まだちゃんとここにあるんだぜ、なんてね。



L.A.M.F / Johnny Thunders and The Heartbreakers







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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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