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10月26日六本木

「なーんか、ここってほっとしますよねー。実家に帰ってきたみたい。」
カウンターでリズムをとりながら、nonさんが話しかけてくれた。
そうなんですよね
ほっとする仲間たちが集まる場所、それが“めれんげ”の東京ライヴ。

今年で東京で演りはじめて10周年だったんだそうだ。
加えて、jukeさんがバンドをはじめてからの「勝手に40周年イヤー」のとりあえずのファイナルでもある今回のライヴ。
このところ仕事パンパンでへっとへとなんだけど、これだけはやっぱり外せない。
目が覚めたらすでに11時過ぎ、あっ、やべー、起きなきゃ。
いそいそとテキトーに荷物を詰め込んで、新幹線に飛び乗ったのが1時過ぎ。
たった2時間10分の移動で、気分は高校生の頃の感じに戻っていく。
BarDeuceの前まで着いたら、ピアノの馬橋さんが店の階段の下ですでに赤い顔。
いい感じで転がっていく予感はすでにばっちりだった。




いいライヴでした。
とても素直にそう思える、素敵なライヴでした。
何より、参加された皆さんの楽しげな顔と満足感。
ライヴの楽しさと同じくらい、楽しんでる皆さんを見るのが楽しくってね。
それだけでもとても幸せな気分になりました。

201910300129363cd.jpg


実は「勝手に40周年」のjukeさんのステージを観るのは今年すでに4度目だったのです。
1月の四日市、5月の高槻、それから7月の六本木のソロ+3/5めれんげ。
1月の四日市は縦のりバンドだらけの中でアウェイ感ありまくりのイキオイ勝負。5月の高槻ははじめましての自己紹介的なわかりやすさとバランス重視。7月のソロは良くも悪くもラフでいい加減感満載(←誉めてます、念のため)。
今回のライヴもまた、そのいずれとも少し違ってて。
肩の力が抜けて、とてもリラックスした感じっていうのかな。
いい具合の力の抜け加減っていうか。
やるべきことはずっとやってきたわけで、今さら取り繕いも慌てもしない、今あるものだけで堂々と勝負する、そのまんまを普通に出して、OKかどうかはみんなが決めてくれればいいよ。
そんな感じの演奏だったように思いました。

演った曲目は今回は控えてません。
写真も動画もほとんど撮らず、今ここで起きていることを楽しむことに集中させてもらいました。
いつもと少し違うな、って思ったのは、メンバーがそれぞれ歌う3曲とアンコール以外はお得意のカヴァーをほとんど演らなかったこと。ビートルズもスライダーズもキャロルも“It's Alright”も。
その代わり、今までステージであんまり演らなかったのも含めて、古い曲を片っ端から。
『Second Hands』収録の曲とかほぼ全部演ったんじゃない?
その意味するところは?
「勝手に40周年」ファイナルとしてのある意味集大成的なところだったのだろうか?
その辺りは、、、きっと本人だけが知ってて、ニヤリとしてることなんだろうとは思うけど。

まぁ、意図はなんであれ、ひとつの集大成な感じの演奏だったと僕は感じました。
あるいは「ホームグラウンド」感というか。
今あるものを「素」のまま出してみる。
素のまんまを出して受け取ってくれる人たちがいるからこその「素」。
ホームグラウンドならではの。
そして、そこから生まれるものこぼれるもの含めて、10年というひと区切り、40周年という節目。
ここからまた次のステップ。
そういう感じがすごくした。
それを敢えて出さないように普通に演ってる感も含めて。






10年。
僕がめれんげのライヴに顔を出すようになったのは2011年だったから8年か。
それなりに長いよね。
ここで会えるみなさんはもはや、普段の友達よりもずっと深い部分で共鳴しあえる感じがすごくあって。
いちいち言葉にはしないし、言葉にするのは少し照れくさくもあるけど。

みんなちょっとどこか普通より少しだけずれてて。
優しさの分だけ傷つくことや疲れることも多い日常生活があって。
でも負けたくない気持ちや、楽しくやるんだ、って気持ちでどうにか日々を渡ってる。
だからこそ。
ロックが好きで。
音楽が好きで。
そんな音楽が好きな人が好きで。
そーゆー人たちが集まる場が好きで。
そーゆー場を生み出すめれんげの音楽が好きで。
その音楽を生み出すjukeさんやメンバーのみなさんが好きで。
大人になってもそーゆーのが好きな自分でいられるのが好きで。
ってことなんだよね。

で、だからこそなのかな。
みんなの楽しんでる姿がとても素敵で。
あ、もちろん僕だってきっと素敵だったに違いない(笑)。
7才の天使には敵わないにしてもね。







カプセルホテルで泊まった翌日。
昼間から池袋でめれんげのメンバーさんたちと合流していい気分になって、夕方雑然と込み合う新幹線で帰路に着く。
心地よい疲れの中でジミー・リードのゆるーいブルースなんぞを聴きながらうとうとしていたら、車掌のアナウンスで目が覚めた。
「ただいま富士山を通過中です。」

201910300128290aa.jpg

覗いた窓からは、低い位置に雲を抱え込んだ富士山のシルエット。
西の方では空が薄オレンジに染まっている。
それを見たときにね、ふっと予感みたいなものを感じたんだ。
あ、またいつかそのうち、同じような幸せ感や心地よい疲労感でこんな風に新幹線から富士山を覗く日が来るな、って。

だから、その日まではみなさん、いろんなごちゃごちゃだらけの日常生活をなんとか乗り切りましょう。
心のどこかでめれんげのロックンロールを鳴らして。

サンキュー、ロックンロール♪
and every Rock'n'Roll Boys and Girls!







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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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