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コンビネーションとアンサンブル

いきなり暑くなりました。
5月で35℃。
でも、この時期いくら気温が上がっても湿気がそれほど高くないのでそこまで堪えない。
ウォークマンも夏物に入れ替えようと思っていろいろ棚を探ってたら、C.C.Rが目にとまった。

適度な暑さと適度な爽やかさ、この時期にはぴったりだと思いながら、何度もリピートしている。
いいバンドだよ。
なんといっても、リズム隊がいいよね。
ダグ・クリフォードの的確かつどっしり重いドラムと小気味よいスチュ・クックのベース。さらにトム・フォガティーのリズム・ギター。
その上で熱く吠えギターをうならせるジョン・フォガティー。
絶妙のコンビネーションとアンサンブル。
バンドのかっこよさってこういうとこなんだよなぁー、と思う。


Tombstone Shadow / C.C.R

仕事をする上でのコンビネーションというのは、ある意味ロック・バンドとよく似ている。
それぞれがそれぞれの役割を認識して、それぞれの音で最大限のパフォーマンスをすることがまず大前提。
ただ、みんながみんな「俺が、俺が」とやっちゃうと、結果としては調和のない雑で乱れた音になる。
だからといって、周りに合わせることばっかりに気を取られてしまうと、自分の音が生きないばかりか、全体としては生きた音として響かない。

やりたいように自身の個性を最大限発揮すること、全体の調和を図ること。
一見相反するようなふたつの方向性をつなぐものがヴィジョン、或いはディレクション。
どういう音を出したい、というイメージが共有できていなければ、いいアンサンブルは生まれない。
当然、お互いの信頼関係が大切。
技術的な水準としてお互いが認めあえること、基本的に相手に対しての敬意があること。
その上で、言いたいことを言える状態が必要。っていうか、指摘すべきことを感情的にならずに伝えることや、指摘された側も感情的に受け止めないことが大事なのかな。
感情がからむとややこしくなる。一旦済んだ過去のことを持ち出してこられた日には最悪だ。

ある意味「負の感情」をいかに流していくのか、が信頼関係を左右するのかもしれない。
これはなかなか難しい課題なんだけどね。
まずは「自分のやっていることに自信を持つ」こと。
そして「相手に敬意を払い謙虚になること」。
これも、一見相反するような課題。

自分に自信を持つためには、それなりの努力が必要だ。
相手に敬意を払い謙虚になるためには、相手の良いところをちゃんと認めることが必要だ。
大事なのはそのバランスなんだろう。

こういうことを書いたのは、職場でちょっとしたもめ事があったからなのです。
自分のチームは比較的順調なんだけど、隣のチームは崩壊状態で。
バンドに例えれば、ピアニストが流麗なソロを弾きながら歌っている横で、ギタリストは無茶苦茶ノイジーなソロを弾きまくっていて、もうひとりはタンバリン叩きながら合いの手打ってる、みたいなバラバラな感じ(笑)。

やっぱりいい音を出すためには、リズム隊がしっかり呼吸を合わしていることが大事ですよ。
ドラマーは歌を立てる、ヴォーカリストはリズムを聴く、それが基本。


と、ここまで書いて、WikipediaでC.C.Rのことを調べていたら、バンドの解散理由は人間関係だったみたいですね。
作詞作曲リードヴォーカル&リードギターの屋台骨をひとりで背負うジョンに対して、「俺たちの曲も採用してほしい」というトムとリズム隊の確執がだんだんと深まって。
基本マルチなジョンは「なんだったらひとりで全部できるし。」ってなことで、結局C.C.Rは解散。ジョンは、一人ですべての楽器をこなす一人多重録音のロックンロール・アルバムをリリースする。
ジョン・フォガティのソロは大好きなんだけどね、でも『Green River』や『Willie and the Poor Boys』あたりのアルバムのバンドとしてののりや荒っぽさと比べるとやっぱり小さくまとまってる感じもしないではない。

人はひとりひとり違うので、力を合わせてひとつのものを作り上げていくのは難しいことだ。
でも、それぞれの力がちゃんとスパークしてうまく噛み合えば、絶対にひとりでは作り上げようがないものが生まれてくる。ひとりではとても乗り越えられないことを乗り越えることができる。
それを乗り越えるからこそ、次の地平が見えてくる。

コンビネーションとアンサンブル。
相反するベクトルをどうやってひとつのものに収斂させていくのか。
一筋縄ではいかないからこそ、大切なテーマだと思うわけです。





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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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