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言論の自由?ペンは剣よりも強し?

自ら、国会議員にあるまじき発言をしておきながら、議員辞職を勧告されると、「言論の府が自ら首を締める行為だ。」と開き直った議員がいましたね。

言論の自由だ、と。

言論の自由?

違うんじゃね?

言論の自由というのは、一般市民に対して思想・信条の自由を保証したものであり、思想・信条や発言内容によって刑罰を与えられることはない、ということであります。
そのことと、国会議員が公の場でどんな発言をしても許される、ということはまったくイコールではない。
国会議員であっても発言によって法的に罰せられることはない。
そのことと、国会議員という立場で返還交渉中の国境地帯で、相手国に揚げ足を取られかねない好戦的な発言をしたことによる責任、というのはまるで別モノだ。

こういう人を馬鹿と呼ぶのだろうけど。

このモヤモヤした感じ、ちょっと前にあったんだよな。
苦々しい気持ちがどっか引っかかったままなので、プライベートなことだけど書いてしまおう。

弟のことだ。



股関節を骨折した母親がリハビリを終えて退院し、改めて一人で暮らすにあたって安全に過ごせるように実家の模様替えをするために兄弟が集まった日のことだった。
母親としては、いろいろと体の不安はあるとはいえ、今まで60年も家事をやってきたわけで、まだまだやれると思っているし、できる、やりたいという気持ちがある。
兄と僕は、本人にやりたいという気持ちがある以上、それを優先させてあげるべきだと考えている。
実際「要介護」が認定されるレベルではないし、一緒に暮らすことが不可能な以上、ある程度自分でこなしてもらわなきゃいけない。何より、あれもこれもやるな、ダメだ、と取り上げてしまうことが本人の気持ちにとっていいことだと思えないのだ。
そのことを弟は、理解しない。
「またケガしたらどうすんねん!」
と、あれもダメ、これもダメと母親に偉そうに命令するわけだ。

そんな言い方するな、と諭す僕を無視して弟はプイッと二階へ上がる。

そろそろ帰ろうか、という頃、とりあえずもう一度声をかけておくか、と僕は二階へ上がった。

「帰るけどな、お前な、もうちょっと優しく言うてやれよ。」
「せやけど、うるさく言わな全然言うこと聞いてくれへんやん。」
「年寄りがな、今まで普通に出来てたことが出来へんようになるっていうのはすごく辛いことなんや。」
「ほんならおかんが好きにやってケガしてもええっていうんかっ!」
「そんなことはゆーてへんやろ。」
「ほんでまたケガしたらどーすんねん。」
「ま、そんときはそんときでしゃーないやんか。」
「ほらな。結局ケガしてもええと思ってるんや。冷たい奴や。」
「そういうことちゃうやろ。ただな、結局人の行動なんか、どんなうるさく言うても変わらんねん。自分がそうやと思わん限り。」
「せやから注意してんねん。」
「注意はしたらええけど、優しく言うてやれってゆーてんねん。」
「俺は、おかんのためにゆーてんねん。」
「そうは見えんけどな。弱ってる人を追い込んでるだけやで。偉そうに威張り散らしてるだけや。」

多分、そのとき僕は、弟を憐れなものを見るような目で見ていた。蔑むような、と言ってもいいだろう。

「お前、40もとうに過ぎてそんなに愚かやとは思わんかったわ。ガキかよ。」

ついそう言った瞬間、
「そんなん関係ないねんっ!」
とか叫んで、弟が殴りかかってきた。
胸ぐらをつかみかかられて強く押され、壁に押し付けられ、手をつこうとして左の指を強打した。

「何すんねん。暴力はあかんやろ。」
「うるさいわ。お前が人を馬鹿にするようなこと言うからや。」
「馬鹿にされたら殴ってもええんか。」
「殴ってへんわ。つかみかかっただけや。」
「人に手ぇ出しといて、謝りもせんと屁理屈言うな。」
「そっちが先にひどいこと言うしやろ。言葉の暴力をそっちが先にふるってきたんや。ペンは剣よりも強し、って言うやろ。」

「・・・アホか・・・。ペンは剣よりも強し、っていうのはな、権力者がいくら暴力で弾圧しようとしても言論は屈することはない、っていう意味や。なんか言われて傷ついたからって、暴力をふるってええというような意味やない。」

「お前、昔からそうやって冷静やろ。それがムカつくねん。」
「こっちこそ、お前がそこまでアホやとは思うてへんかったわ。がっかりや。」

弟には弟なりの、いろんな背景があるのだろう。
僕の母親への対応を無責任と感じていたようだし、こちらは知らない子供の頃からの積年の思いもあったのかもしれない。
ただ、、、
やっぱり暴力を正当化する男を赦す気にはなれない。

慌てて母親が二階に上がってきた。
何事かとおろおろしている。

弟は、ああだこうだと自分の母親に対する態度についての弁明をした。
自分なりには母親のことを大事に思うからこそ一生懸命やっているのに誰もそれをわかってくてへんというようなこと、自分の方が日々母親の対応をしているのに、たまに来た兄に偉そうに言われることがムカつくこと、などなど。
それから、手を出して悪かった。ついカッとしてしまったと。

「まぁ、お前の気持ちはわかったよ。こっちも悪かった。でも、暴力をふるわれたことは赦さへんよ。それとこれとは別や。」
「なんで、謝ってるのに赦してくれへんねん。」
「それは、手出ししたほうが言う言葉やないやろ。ほんまは悪いと思てへん証拠や。」
「せやから、そっちが言葉の暴力をふるうから。」
「そうやって暴力を正当化する理屈を、俺は赦されへんねん。兄弟とかより前に、人として無理や。」

自分が気持ちのコントロールできないことを棚に上げて、ペンは剣よりも強し?
アホか。
兄弟とはいえ、ここまでアホやったとは。

「なんぼ兄弟や、ゆうても30年もちゃうとこで暮らしてたら半分以上他人なんや。兄弟やから、って甘えんといてくれ。少なくとも今はよう赦さん。自分のやったことをゆっくり考えてくれ。」

そう言って僕は、帰り支度をした。
母親は、勘弁したってというけれど、今はそういう気持ちにはなれん、と謝った。


それ以降、弟にはまだ会っていない。
数ヶ月経っても、まだ左の小指は時折痛む。

言論の自由?
ペンは剣はよりも強し?

自分の至らなさを棚に上げて正当化するなよ。
自分のやったことを、真っ正面からちゃんと受け止めなさい。
そこからしか、何にも変わらない。
いくつか僕にもそういう経験があった。
でも、まだまだだな。
自分自身に対しても、そう問うてみる。




オールマンズにレイナード、ネヴィルス、キンクス、CCR、AC/DCにヴァン・ヘイレンにスコーピオンズにチェッカーズ(笑)、兄弟がいるバンドはたくさんあるけど、兄弟が仲違いしたバンドってことで、今日の音楽はオアシスで。












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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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