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令和元年 ~A Ray Of Hope~

さて、いよいよあと数時間で新年号。
こうやってじゅうぶんな準備期間を経て元号が変わるというのは、日本中の誰もが初めての経験なんですね。

昭和、平成、令和。
同世代では「3つめの令和が人生最後の元号」みたいに思っている人が多いみたいだけど、新しい天皇だってもう還暦前だし、4つめはじゅうぶんありえる。皇位継承第一位は息子ではなく弟なんだから、ひょっとしたら短い4つめを経て5つめまでだってない話でもない。

元号。改元。
流れていく時間に名前をつけるというのは、時をも司ることができる権力を持った者だけができること。
そういう意味合いを持つ元号制度というのは人民主権の世の中に於いては時代錯誤も甚だしい!というような理屈はそう言われりゃそうだ。
でもなんか元号っていいよな、とふつうに思ったりもするわけで。
なくなってもまるで困りはしないけど、あるほうがいいな。
便宜上西暦が国際社会スタンダードになっているとはいえ、そもそもキリスト教国家でもない日本人が西暦を使うべき必然性はどこにもない。実際、イスラム教国では今もふつうにイスラム暦(ヒジュラ暦)を使っているわけで、あの地域では今はイスラム暦1440年の8月だ。
ヒジュラ暦はマホメットがメッカに遷都した年をスタートとしているので、例えば日本なら、大化の改新を元年とすれば今は1374年だし、戦時に使われていた神武天皇即位紀元ならば2679年となる。僕は国粋主義者でもなんでもないけど、独自の歴史を持つ国の暦としてはありなんじゃないかと思ったりする。神武天皇暦を否定する根拠は、西暦を使う根拠と同じくらいあいまいなものではないかと。

時代に名をつけるということは、権力者だけに許された行為だから、時の編力者を否定するひとたちの間ではしばしば「私年号」が使われたそうだ。
南北朝期の「白鹿」「応治」「至大」 やその終焉のあとに南朝の遺臣が使用したという「天靖」「明応」、江戸幕府のキリスト教弾圧に抵抗する地方のキリシタンの間で使われた「大道」、維新の時代に奥羽越列藩同盟軍の間で使われた「延寿」「大政」、自由民権運動の中で秩父困民党が使用したという「自由自治」などなど。

権力者に抗う行為なだけに私年号というのは危ういものだけど、でも、時代を数えることってもっと自由であったら楽しいのにな、って思う。
例えば、プロ野球ファンなら、日本にはじめてプロリーグができた1936年を元年とする「野球暦」とか、映画好きなら、フランスのリュミエール兄弟が初めて映画を公開した1895年を紀元とするとか。
一般にロックンロールの誕生とされるのはビル・へイリーとヒズコメッツの“Rock Around The Clock”。この発表年の1954年を元年とすると、今年は「ロック暦」65年になるわけですね。
明後日ご命日の清志郎さんにちなんで「忌野68年」とか、究極の個人年号としてはブログ開設を紀元とする「金青13年」とか(笑)。



ハハハ、しょーもないことばっかりゆーてんと音楽を聴こう。

ラスカルズの“A Ray Of Hope”。
令和のRayにこじつけて。
ソウルフルで、あたたかい陽射しに包まれるような名曲です。



いきなり明るく希望に満ちた時代になるとは思えない。
でも、だからといってそんなに悪いことばかりでもない。そもそも否定したり悲観的になったところで何かが良くなるわけでもない。
どんなときでも、一筋の希望の光~A Ray Of Hope~が見えるように、たまにはその光を照らす人であったりできるといいな、と思ったり思わなかったり(笑)。




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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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