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3月12日未明

2011年~15年にかけて、ボランティアで陸前高田を5回訪れた。
最後に訪れてからもう4年も足を運べていないことになってしまった。
5回も行くと、どこか親戚が住んでいる町のように思えて、とても気にはなるのだけれど、いろいろと毎日が忙しくて、なかなか自力で行く機会を作れなくて。

被災地では、いろんな話を聞いた。
想像するのも辛い話。

先月だったか、実家の模様替えでタンスや本棚を動かしたとき、地震対策の転倒防止用具も取り付け直したのだけど、どうも心許ない。
「こんなんでだいじょうぶかな?」
と呟いたら、母が
「ええよ、地震来たら逃げへんし、もう死んでもええから。」
などと言う。
「しょーもないこと言わんと。津波のときにな、もう逃げへんっていう老人を説得してるうちに逃げられへんようになった若者がいっぱいおんねん。死んでもええねん、みたいな老人が一番困るからな。結局ほっとくわけにいかんのやから。」
とついお説教してしまった。

生き物は、口でどう言おうが、本能としては最後まで生きようとするもの。
スコンと即死できれば、それはそれで無念ではあるけれど、苦しみは薄れるかもしれない。でも、そう簡単に即死できるとは限らない。
愛する人、親しい人の最後が無念や苦しみに満ちたものだったとしたら。
その悲しみは影のようにずっとずっとつきまとうのだろう。
どうすることもできなかった後悔とともに。



3月11日の夕方から12日の未明にかけて。
愛する人、親しい人の安否を気遣いながら、たくさんの人たちが不安な夜を過ごした。
建物や屋根の上で。瓦礫に埋もれて。寒さの中で。助けを待ちながら連絡の術さえなく、持ちこたえることが叶わなかったたくさんの命があった。
その苦しみを想像するだけで、泣き出しそうになってしまう。
その、泣き出しそうになってしまう気持ちを、忘れてしまわないように。



Farewell Reel / Patti Smith




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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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