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洋子さんの本棚 付録対談 goldenくんとblueくん

golden(以下、g):『洋子さんの本棚』はとてもおもしろかったのだけど、本を軸に会話する本編とは別に〈巻末付録 人生問答〉として、インタビュアーの質問に対してお二人が答えるというものがあって、これがまたとてもおもしろくって。思わず、お二人の会話の中に入って「そうそう、それでねぇ~」と言いたくなるような。
blue(以下、b):人生いろいろありつつ、ちゃんと意思を持って生きている人たちだからこその含蓄のある問答やな。
g:その質問、自分ならどう答えるか、やってみようかと。
b:身の程知らず(笑)。ま、好きそうなネタやろうけど(笑)。

別れようと思ったのはどんなときですか?
b:いきなりすごい質問から来るな(笑)。
g:別れようと思ったことは、たぶんない。
b:別れようと思われる側なんちゃう(笑)?
g:っていうか、そういう相手とは、結局自然に距離が開いて、疎遠になっていくよね。

忘れられない言葉はありますか?
g:忘れられない言葉、いっぱいあるよね。
b:ん?例えばどんな?
g:うーん、例えば、そうねぇ、うーん。
b:忘れてるやんっ(笑)。
g:そういうのって、普段いっつも覚えてないよね。
b:何かがあったときとか、ふっとしたときにパッと浮かんでくる。あー、そういやあんなこと言われたなぁ、とかね。
g:思い出したら、あとで(笑)。

豚こまが1パック。何を作りますか?
g:焼きそば。
b:たまーに食べたくなるねんな、無性に。
g:キャベツとかたっぷり入れて、もやしとかピーマンも入れて、焼きそばっていうより「麺入り野菜炒め」くらいの感じで。
b:豚バラだとぎとぎとするんで、豚こまがちょうどいい。
g:キャベツは、芯のところも入れてね。

夜中に食べることを許しているものはありますか?
g:小腹あるあるですね(笑)。
b:昔はそんなの気にせず食べたいときに食べたいものを食べてたけど。
g:さすがに気にするようになってきたね。
b:とりあえずおかわりしたくなったら、米の代わりに納豆食べてる。
g:あと、お豆腐とか、みそ汁飲んで寝るとか。

あまりもてなしたくない人が遊びにきました。さて、何を出しますか?
b:あまりもてなしたくない人は、遊びにきません(断言)。

新しく始めたいことは何ですか?
g:うーん、何でしょう?
b:絵を描きたいって、こないだゆーてたやん。あとゼンタングル?
g:あ、そうだ(笑)。じゃあ、それ。
b:テキトー。絶対やらへん感じやわ(笑)。

自分が三人いたら、それぞれ何をしますか?
b:そうやねぇ、とりあえず、一人はひたすら寝まくるね。あったかいおふとんで日がなゴロゴロ。
g:もう一人は、たぶんものすごく一生懸命働くだろうね。
b:遊んで暮らしたい気分もあるけど、働くからこそわかる感覚っていうのはあるからな。仕事をして誰かの役に立つというのは、本来ええことなはずやわ。
g:そうすると、最後の一人には、放浪の旅にでも出ていてほしいね。
b:今日はイスタンブール、明日はバグダッド。
g:かと思えば、三年くらいチベットの奥地でこもってたりね。

これは若いうちに体験しておくべきと思うことって何ですか?
g:さっきの話ともつながるけど、ひとり旅。知らない場所に自分ひとりで行って、すべての行動に自分で責任を持つ経験は、あとあといろんなところで役に立つかな。ピンチや修羅場に強くなる気がする。
b:大人の言うことを信用しない、大人だって結構適当だってことを早めに知る機会があるといいね。近所に飲んだくれのおっさんとかいるといい。世界はいろいろだって、ちゃんとしすぎなくてもなんとかなる、ってね。

これだけは捨てられない、愛着のあるものは何ですか?
g:あんまり所有欲は持たないようにしてるのよ。全部が全部集められるわけじゃないのでキリないし。
b:意外と一番愛着あるのは、今ならブログの記事かもな(笑)。
g:あ、娘が小学校低学年の頃まで遊んでいたぬいぐるみとかフィギュアかな。本人はもういらないって言ってるけど、なんとなく捨てられない。
b:あとはやっぱり、本とかCDやろね。

理想の家と言われて思い浮かぶものって?
g:理想を持たないのが一番だよ。
b:下手に理想を持つと、こうでなきゃいけないって縛られるからね。優しい夫と献身的な妻、素直で賢い子供。そんなのないから(笑)。
g:理想だと世間で言われていることが、実は為政者側の策略だったりすることもある。
b:マイホームを持ちましょう、なんていうのも経済成長のために住宅需要を促すための経済政策だったなんて言われてるからな。
g:鵜呑みにしてどえらいローン抱えてひどい目にあう(笑)。

天才だと思うのはどんな人?
g:一を聞いただけで、その言葉の裏側や、背景にあるものまで理解できちゃう人。
b:でも、あんまり天才だとしんどいよ、きっと。凡人でいいんだって。

今までで一番高い買い物って?
g:家買ってないし、そうすると車?っていってもせいぜい100万だけど。
b:あんまり金銭的な価値って、よーわからへんねんな。
g:100万円のダイヤモンドよりフェイセズやザ・バンドのCDの方が自分にとっては価値がある気がする。

あまり好ましくないことだけど、やめられないことはありますか?
g:タバコでしょ。
b:特に、喫煙所じゃなく、屋外で吸うタバコ。今やどこだって路上喫煙禁止だからおいそれとできないけど。
g:煙が青い空に吸い込まれていくのはいいよね。

男の色気って、どんなところに感じますか?
g:この質問は女の色気に置き換えるべき?
b:男に色気は感じたくない(笑)。
g:女の人が、いかにも色気プンプンで、メイクきつくしたり、胸元やボディーラインを強調したりすることに何の色気も感じないんだよね。
b:むしろ、さりげない仕草の方がドキッとするなぁ。
g:ま、男でも女でも、何かに一生懸命打ち込んでいるときは色気があるよ。
b:ユートーセーっぽい、つまらん答えだなっ(笑)。

日々の習慣と言えるものはありますか?
g:タバコ。とくに朝の一服は効く。
b:あれ、習慣というより依存症、ニコチン中毒、病気やから。
g:音楽聴くこと。
b:それも依存症に近い。
g:活字読む。
b:それも病気やで、たぶん。

結婚生活の極意って何だと思いますか?
g:お互いに干渉しすぎないこと。
b:相手に期待しすぎないこと。
g:結局、他人だからね。所有物のように扱わずに、礼儀をわきまえないと。

自分に許している贅沢って何ですか?
g:これもタバコじゃね?
b:一箱480円。ランチはカップラーメン、138円(笑)。
g:本とCDは買うけどね。
b:でも、長く所有する価値があるかどうかは考えて、衝動買いは躊躇するかなぁ。
g:借りたりストリーミングしたりして、これはほしいと思ってからでないと買わないかも。
b:やっぱり一番の贅沢は、気心知れた友人とのランチだったり飲み会だったり。
b:金銭的な価値とは次元が違うもんな。

今食べてもおいしいかどうかわからない青春の味って?
b:高校の門を出た角にあったパン屋で買い食いする豚まんはうまかったなぁ。
g:たぶん、今の豚まんの方がグレードは高いんだろうけど。
b:あと、学食のカレーうどんね。ライスを別につけて、うどん食ったあとごはんぶっこんでカレーライス。
g:220円くらいですごく満腹になる。
b:もう、あんなに炭水化物ばっかりは食べられへんわー。

最近、手放したものは何ですか?
g:何だろう?何かあったっけ?純情とか無垢な心とか熱い理想とか(笑)?
b:それは、手放したんじゃなくて、自然に失われたんとちゃう(笑)?
g:そう考えると、あえて手放すものはないかな。なくなるときは、いつの間にかなくなってる。

心が折れそうになった時、どうしていますか?
b:折れそうなときには、むしろへし折るくらいでちょうどええんちゃう。
g:いや、それはやりすぎでしょ。
b:折れたら折れたで、折れる程度のもんよ。折れたとこからまた生えてきたらええねん。
g:やっぱり、癒されるのも勇気づけられるのも、音楽だよね。
b:ピストルズとか、めっちゃハードなのを大音量でぶっぱなすか、ロバート・ナイトホークみたいに暗いブルースをうじうじ聴くか。
g:文章を書くことも、少し冷静になる、自分を客観視するという点で、心折れそうなときには効果があるときもある。
b:ま、酒飲んで寝るのが一番効果あるけどな(笑)。
g:食べる、寝るが充実していると、心は折れにくくなる。

b:あ、心折れるで思い出した。
g:何を?
b:忘れられない言葉。
g:今頃かよ。
b:小学校5年のときに、兄貴の担任だった先生に「お兄ちゃんはもっとしっかりしてたで。」って言われたやつ。
g:そういうこと未だに根に持つタイプ(笑)。
b:あれは、ゆーたらあかんやつや。兄貴なんか関係あらへんやろ。
g:もうちょっと前向きなええやつはないの?
b:お前も思い出せよ。
g:えーっとね、「人に愛されるには、まず自分が愛さなければ。」
b:それ、世界名作劇場の『ペリーヌ物語』で、ペリーヌのお母さんが亡くなる前に残す言葉やん。
g:子供心にぐっときたのよ。
b:ドラマや音楽や本の言葉って残るよね。
g:原点としてはやっぱり「つまらない大人にはなりたくない」by佐野元春“ガラスのジェネレーション”かな。
b:「ロックンロールは君の悩みを解決しないかもしれない。けれど、悩みを抱えたまま踊らせるんだ。」byピート・タウンゼント、とか。
g:「ブルースを忘れないほうがいい。上っ面に惑わされるな。ブルースを忘れるな。」、これは清志郎の『瀕死の双六問屋』にあった一文。
b:「自由が欲しい時は他人に頼んじゃいけないんだよ、君が自由だと思えばもう君は自由なんだ。」byリチャード・バック 『イリュージョン』。
g:「おまえの心に耳を傾けるのだ。心はすべてを知っている。」byパウロ・コエーリョ 『アルケミスト』。
b:ぞろぞろと思い出すもんやね。挙げていくとキリないんちゃう。
g:ひとつにしぼるとすれば、池澤夏樹さん『スティル・ライフ』のこの言葉かな。
「外に立つ世界とは別に、きみの中にもひとつの世界がある。大事なのは、二つの世界の呼応と調和をはかることだ。二つの世界の呼応と調和がうまくいっていると、毎日を過ごすのはずっと楽になる。心の力をよけいなことに使う必要がなくなる。」
b:俺はこれやなぁ。
「自分が好きになれそうな街に住み、愛する音楽を聴き好きな本を読み、気の合う友人たちとの時間を大切にする。そのことによって、日々をなるべくハッピーに過ごす。それ以外に大切なことなんてない。」
これは、十代後半の頃大好きだった山川健一さんの『みんな十九歳だった』にあった言葉。
g:50過ぎて聞くと、ほんとそうだなーってって思うね。なるべくハッピーに。この、なるべくってとこがポイントだね。
b:やっぱり読んだ本の言葉って、影響受けてるもんやな。
g:いい感じで本の話題にまとまりました(笑)。まだまだ話は尽きませんが、このあたりでー。
b:あれ?こんだけ長々しゃべって、オチなし?
g:いや、元々そういう趣旨じゃないしー(笑)。





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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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