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音楽歳時記シーズン3「小寒」

年が改まって最初の節季は小寒。
年の始まりには愛に溢れた音が聴きたいと思う。
穏やかで、心が温まる音。
ポジティブで前向きな歌。

スティーヴン・スティルスに“愛への讃歌”という邦題をつけられた曲があった。
分厚いコーラスやオルガンがどんどんと盛り上がっていく曲。
アレサ・フランクリンやアイズレー・ブラザーズをはじめ多くのアフリカ系ミュージシャンにもカヴァーされていた名曲だ。

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Stephen Stills / Stephen Stills

雪の中でギターを爪弾くスティルスのジャケットも冬っぽいこの一枚。
その一曲めが“愛への讃歌”だった。
原題は“Love The One You’re With”。
かき鳴らされるアコースティック・ギターとパーカッションが心地よいグルーヴを作り、そこにからんでくるオルガンの音色はたっぷりと熱を帯びている。

♪Love the one you're with~そばにいる人を愛しなさい、なんて歌う華やかなコーラスには、CS&Nの盟友デヴィッド・クロスビーとグレアム・ナッシュの他、ジョン・セバスチャンやリタ・クーリッジといったメンバーが参加していた。



Well there's a rose in the fisted glove
And the eagle flies with the dove
And if you can't be with the one you love
Honey, love the one you're with

握った拳の中で咲く薔薇
鳩といっしょに飛ぶ鷹
愛されないと嘆くなら
まずそばにいる人を愛しなさい
(Love The One You're With)


怒りや憎しみというのは、瞬間的には大きなエネルギーになる。
僕にしたって、怒りや憎しみを原動力にして乗り越えてきたことやぶち破ってきたことがいくつもあった。
ただ、そういう負のエネルギーっていうのは、エネルギーが大きすぎるが故に自分自身をも蝕んでしまうのですよね。
そもそもすべてが自分が正しいなんてことはないし、いつも何もかも自分の思うとおりになるわけじゃない。そんなことは冷静に考えれば当たり前なんだけど、自分が正しいんだと論理的に主張して意地を張れば張るほど、認められない不満がイライラになって、結局周りから敬遠されてしまうというのはよくあること。
うまくいく方法っていうのは、結局そういうんじゃなくって、一歩譲ってみる、相手の主張を認めてみることから始まる気がする。
愛してほしいという前に、愛されないと嘆く前に、まずは自分から愛してみようとすること。

そういう考え方って、押しつけられるとすごくうっとおしいけど、自然にそういう気持ちになれるとすごくいいね。



アルバムは、フォーキーなものから、ブルース、ゴスペルと多彩なスタイルを取り込んでいて、スティルスやナッシュの他、エリック・クラプトンやジミ・ヘンドリックス、リンゴ・スターやブッカー・T・ジョーンズも参加している。
スティーヴン・スティルスそのものは、ギターも巧いしマルチなんだけどどこか影が薄い。
でも、自分らしさをゴリゴリ主張するのではなく、周りの人たちを巻き込んでグルーヴを作っていくのがスティルスらしさなのかもしれない。
気分次第でやりたいことやって我が道を貫き通していくニール・ヤングもかっこいいと思うけど、最近はスティルスのようなやり方のほうがかっこいいと思うようになってきた。

Love the one you're with。

新しい一年の始まりの節季に。












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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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