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音楽歳時記シーズン3「大暑」

立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれの前の18日間を「土用」といいます。
この時期は季節のつなぎめの不安定な期間で、すなわち体調を崩しやすい。
特に夏の土用の頃は、通常は一年で一番暑い時期。気温も高い上に多湿な日本ならではの湿気の高さが不快感をよりあおり体力を消耗させる。
高温多湿な状況は、一般生菌類の活動が活発になりやすいわけで、体力減退+菌の活動となれば、病人死人がたくさん出るのもこの時期だった。
そこで滋養のあるものを食すべし、なんてことで、「土用の丑のうなぎ」の風習が登場したわけですね。

土用の丑の日は7月27日。
その少し前、7月23日が二十四節気の「大暑」。
本来ならばここから10日ほどが暑さの山場なんだけど、梅雨の遅い今年、今日もざんざかと雨が降り続いていて、夏らしい空にずいぶんお目にかかっていない。ここまで梅雨が遅いのもちょっと記憶がないな。
茹だるような暑さに遭わないのは体力的には助かるんだけれど、ここからいよいよ猛暑が来ると想像すると辛いものがある。
今年は冷夏でいいよ、今さらもうご勘弁を、ってのが正直な気持ちだけど、気候っていうのはやはり雨が降る時期には降って、暑くなる時期には暑くなってくれないと、農作物の生育やらいろんなことに支障が出る。そーゆーことがそのまま仕事の忙しさに直結してしまうので、困ったものであります。

とりあえず仕事を終えて、冷えたビールをプシュっと。
うなぎもいいんだけど、真夏にはお好み焼きが食べたくなるのは、関西人故か。
アツアツの鉄板で、コテでひっくり返しながらハフハフ言いながら食べるのがいいんだ。

あー、猛暑だろうと冷夏だろうとなんでも来やがれ。
ぼやいても始まらない。
今置かれた状況の中で、どう最善を尽くすか、だ。
グルーヴィーに行こう。

というわけで、大暑の一枚、ジョージ・ベンソンの『The George Benson Cookbook』。

201905070713164db.jpg
The George Benson Cookbook / George Benson

ジョージ・ベンソンっていうと、テレテレと洒落たギターを弾いてアダルトな歌を歌うフュージョンの人、っていう印象が強いけど、このアルバムはそーゆーのとは違って、ものすごくソウルフル。
ジャズ好きの人がこのレコードをどう評するのかはよくわからないけど、一部の頭の硬いジャズ・ファンに独占させておくのはもったいない、インスト・ソウル・ミュージックだ。
うなぎの蒲焼きみたいに、こってりと脂がのって、香ばしくて旨みたっぷりの曲がどっさり。
あるいは、鉄板で焼きたてのお好み焼きみたいに、アツアツでふわふわ。豚肉の脂にキャベツの甘み、ソースの旨み。
こりゃ、メシも旨いしビールも旨いぜー。

旨みの元は、艶やかで香ばしいギターの音色やジューシーなリズム。脂っこさたっぷりのオルガンもいい味出してますねー。
しかし、根本のところにある旨みの大元は、いわゆるブルース・フィーリング。



さて、これから猛暑になるのか、冷夏でつつがなく過ごせるのか。
どっちにしても、滋養のある音楽を聴いて、大暑の時期を乗り切るべし、だ。
今置かれた状況の中で、どう最善を尽くすか、だ。
半分酔っぱらいながら、グルーヴィーに行こう。











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コメント

[C3312]

非双子さん、こんばんはー。
加山雄三にベンチャーズ、夏ですねぇ。
じっとりしたうっとおしい夏、吹き飛ばすように爽やかにいきたいもんですね。

ジョージ・ベンソンのこの盤はあんまり有名ではないですが、めっちゃお気に入りです。
湿度は高いけどうっとおしくはない、好演奏です。
  • 2019-07-23 21:01
  • golden blue
  • URL
  • 編集

[C3311]

夏になると「加山雄三BEST盤」でバックの寺内タケシのエレキを聞いてます(笑
ジョージ・ベンソン好きですが、これは知らなかった、、
”ねっとりとした夏”のイメージで良いですね~
  • 2019-07-23 17:08
  • 非双子
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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