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音楽歳時記シーズン3「小満」

麗しき初夏、と呼ぶにはもはや汗ばむくらいの陽気。
ほんの数週間前にお花見で賑わっていた疎水沿いの並木では、桜がつやつやと新緑を繁らせている。
花もいいけど、この時期のイキイキとした桜っていいな、と思う。

5月21日が小満。
小さく満ちるの言葉どおりに、あっちこっちに生命が満ちているのが感じられる季節。
土手には雑草が繁って、蜂がブンブン。
カラスたちがかまびすしいのは、縄張り争いか、恋の季節か。

201905100811044f3.jpg
Char / Char

当時、天才若手ギタリストを騒がれたらしいCharのデビュー・アルバム。
「らしい」っていうのは、当時さほど興味はなかったからだ。
このアルバムは76年?もうちょっとあとで「気絶するほど悩ましい」がヒットした頃にテレビで見た記憶はある。ツイストや桑名といっしょに新々御三家扱いで早熟な一部の女子たちがキャーキャー言ってたというイメージしかない(笑)、まだ小学生だもんな。
アルバムをちゃんと聴いたのは、ずいぶん後になってからだった。



Charのクリアーなギターの音色は、この季節がよく似合う。
艶があって、伸びやかで、湿度が低くてさわやか。
テクニカルだけど、テクニカルな音楽にありがちな機械的幾何学的な印象がない。
っていうか、正直ギターのテクがどーだのこーだの、インプロビゼーションがあーあこーだのということはあんまりどうでもいい。
何が素晴らしいかっていうと、グルーヴだ。
圧倒的なグルーヴ感。
しっかりと練り込まれたアレンジでありながらも、その演奏はとても肉体的だ。しかも肉体的でありながらも粗野で野性的ではなく、ある種の上品さやインテリジェンスが感じられる。一部の曲はベタでバタ臭い歌謡曲チックではあるけれど、それすらクールに見えてくる。
そして、なにしろ明るくて力強いこと。
明るいといっても能天気な明るさではなくって、お日様の光をいっぱいに浴びた新緑のような明るさ。
力強いといってもただ馬力があるパワフルさではなくって、生命力を感じさせるような凛としてきりっとしてしなやかな力強さ。
そんな音楽の力がみなぎっている。

音楽を聴くという行為は、或いは小説にせよ、絵画にせよ、表現されたものを鑑賞することは、その感情がプラスであれマイナスであれ、その作品に込められたエネルギーをいただくということに他ならない。
誰かの発したエネルギーが自分のエネルギーになって循環していく。

小満。
急な暑さにちょっとバテ気味。
エネルギーを補充して、満たされた気分で過ごしたいね。





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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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