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音楽歳時記シーズン3「清明」

平成の元号も残りあとわずか、ってことで平成を振り返るときに必ず出てくるのは「バブル」。
音楽シーンでバブル前夜から変わったことといえば、ブラック・ミュージックがおしゃれでかっこいいツールになったことだった。
ついこの前までメタルだった男や聖子ちゃん派だった女がいつのまにかブラコン派に転向していたりして、、、まぁそういうタイプとはあまり友達にはなれなかったけど。

86年~87年頃には、フレディー・ジャクソン、ジェフリー・オズボーン、アレクサンダー・オニール、カシーフ、ルーサー・ヴァンドロス、大御所ライオネル・リッチーあたりがぞろぞろとヒットを放っていた。
バイトしていたレンタル・レコード店でそういうおしゃれ系が大好きな奴がいて、好むと好まざるに関わらず当時流行ったものはひととおり耳には入ってきたけど、心を動かされるようなものはほとんどなかった。
いや、今聴けばけっこういい感じだったりするのだけれど、当時ああいうおしゃれでカッコつけた音楽は敵だったのだ。
そんな中でちょっといいな、と思ったのがグレゴリー・アボットさんだった。

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Shake You Down / Gregory Abbott

ブラコンといえば、セクシャルな色気とシルキーな感触が基本路線。
この人もシルキーだしエッチには違いないんだけど、なんていうか、他のシンガーと違ってあざとさを感じなかったのだ。
ブラコン特有の下心まるだしっぽいぬめり感がなくって、もっとピュアなものを感じたっていうか。
それはなぜなんだろう、っていうと、60年代ソウルっぽいっていうか、ルーツに根差していて、上っ面でスタイルを採り入れたのではない世界観を感じたのだと思う。
サム・クックやマーヴィン・ゲイから受けた影響を自分の音楽に採り入れて、臆することなく素直にそれを表現しようとしている感じ。
スタイルの物真似ではなく、ちゃんと世界観まで咀嚼した上でのピュアな表現。
夜のネオン街よりも春の陽気の方がよく似合う聴ける爽やかさ。
清らかで明るい音。

清らかで明るい、といえば、4月5日が清明。
おお、まさにこの季節にぴったりだっ!

春の日差しを浴びて、ゆっくりと花びらが開くように、穏やかで開放的な気分。
そのままうとうととうたた寝したくなるようなゆるいグルーヴ。
まどろみの中で、グレゴリー・アボットの天使のように甘い声が聴こえてくる至福。
バブル云々は抜きにしても、心地よい音だよね。










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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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