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続・音楽歳時記 「秋分」

秋分。
あの酷暑がウソみたいに、すっかりと秋の佇まい。
誰だよ、今年は残暑が厳しいって言ってたのは。
たったひと月で15℃近くも気温が変わるとなかなか体がついてこない。ただでさえ疲れが溜まってなかなかベストの体調とは言い難い中で、ちょっとすっきりしないなんだかなぁ感を引きづりながらぼやぼやしている今日この頃であります。
こういう季節のこういう体調、スコーンとストレートなものよりもちょっとネジくったもののほうが心地よかったりするのです。でも、へヴィーなのはダメだ。余計に疲れてしまう。
ということで、秋分のチョイスはスティーリー・ダンなんかはいかがかと。

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Aja / Steely Dan

元々、パンクでブルースな音が好物な僕としては、若い頃はそんなに好きなほうではなかったのですよね、スティーリー・ダン。マニアックな人たちがああだこうだと蘊蓄を語るのもあまり好感度が高くない理由のひとつ。音楽は理屈じゃないだろっ、って思ってしまう。
でも、その「音楽は理屈じゃない」という観点でいくと、やっぱり理屈じゃなくかっこよくって気持ちいいのですよ、この音は。
精密で複合的で繊細な作りであるにもかかわらず、とても強度が高い。さらっと聴いてもいいし、じっくり聴いてもいい。シルキーなのに骨太。楽しいときにはポップな音に聴こえるし、辛いときにはへヴィーな音にも聴こえる。聴くたびに「いいなぁ」と思える場所が違っていて、どこにでも宝島へのルートが仕込んである。そんな、一筋縄ではいかない音楽。そういうところ、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの二人の仕掛けた罠どおりに、罠だとわかりながらはまってしまうのですよね。
この二人が望んでいるのは、ただただ「いい音楽のためにすべてを機能させる」こと。そのために細部まで徹底的にこだわる。練りに練った上で、基準以下のものは惜しげもなく捨てる。自らがプレイヤーでありながら、自身は弾かずにもっと巧い人に任せることも当たり前。
そういう意味で、この二人の「仕事人」としての凄みにはただただ感服するばかりです。
「仕事とは、文字通り事に仕えること」
って、誰かが言ってたけど、事を成就させるためには、結局は、諸々の感情もしがらみも一旦横へやって、求められる結果に対して最善の方法を選択し続けることしかないんだよな。
この二人のやり方は、そういう意思に貫かれている気がする。
ありとあらゆる可能性を考えた上で、ねじくりまわしこねくり回した上で、最後は自分の中で響いているグルーヴを信じる。具体的で現実的な行動の積み重ねの上にだけ時折天から降りてくるマジック。
いい仕事っていうのは、結局はそういうもんだろうな。

なぁんてことを思いながらも、今はこの心地よさに身を委ねて頭をからっぽにしておきたい気分。
暑さ寒さも彼岸まで。
蒸し暑かったり肌寒かったり、雨が降ったり爽やかないいお天気だったりを繰り返しながら、季節は少しずつ冬に向かっていく。
結局のところ、どこかでマジックがスパークすることを、過度に期待せずにそれでもあきらめずに待ちながら、目の前の日々やるべきことに気持ちを込めて積み重ねていくしかないのですよね。
暑さ寒さも彼岸まで。








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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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