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訴状が届いていないのでコメントできない

よく訴訟関係のニュースなんかで、「訴状が届いていないのでコメントできない」って聞くんだけど。
「だったら、訴状が届いてからもう一回コメント取りに行けよ!」って思わない?
後日、訴状を読んでからのコメントが報じられたという記憶がない。

「行楽地は若いカップルや家族連れで賑わいました。」ってさ。
実際には高齢者だって男同士だってたくさんいるのにその姿は見えないみたい。
イメージだけで事実を切り取って紋切り型の常套句で報道したふりをする、それってちょっとどうなんだ?

「私の発言が誤解を招いたとしたら、お詫び致します。」
その言い回し、実際のところ、誤りを認めてないよね?全然謝罪してないよね?

「ふっくら炊き上がり、冷めてもおいしいお米です。」とお米のパッケージ。
更には「生産者が心を込めて作りました。」と。
ふっくら炊き上がらないお米なんてあるのか?冷めたら固くなるお米です、なんて売りたい側が誰も言うはずがない。心を込めて作ったかどうかの検証方法は果たしてあるのか?どのレベルまで達していれば心を込めたと認定できる基準はあるのか?心を込めて作っていません、とは誰も言わないよね。

紋切り型の言葉に騙されたくない。
人の言葉はまず疑ってかかったほうがいい。
そういうものの見方は、ひねくれているのだろうか。心が荒んでいるのだろうか?

でもね。
「この戦いは、アジアの人民を開放する戦いだ。」という言葉で。
「鬼畜米英を粉砕するのだ。一億玉砕火の玉だ。」という言葉で。
「お国のために命を捧げるのが男子の本懐だ。」「生きて帰るのは国の恥だ。」「お国のために協力しないのは非国民だ。」という言葉で。
どれだけ多くの命が失われたのか。
「原子力はクリーンなエネルギーです。」という言葉で、どれだけの土地が住めない土地になってしまったのか。
「公害と企業の活動に因果関係は認められない」という言葉で。
「悪行を積んでいるものはポアしろ。」という言葉で。

うっかり信じたらひどい目にあう。
騙した側の責任はうやむやにされる。仮に責任が後に認められたとしても、損なわれた人生は元通りにはならない。

言葉の上手い不誠実な人がいる。
誠実だけど、言葉の上手くない人がいる。
きれいな言葉ほど疑ったほうがいい。
きれいなことや威勢のいいことだけを言う人を信用しないほうがいい。
自分自身、販売や広告に関わる仕事をしているだけに、言葉の選び方については鈍感ではいられない。
ある人にとってはメリットになることがある人にとってはデメリットになることもあるわけで、否定すればいいってものではないし、消費ということで言えば少し背伸びした夢やときめきを語ることも必要なので、難しくはあるのだけれど、言葉に対しては誠実でありたいといつも思うのです。



Hypocrites / Jimmy Cliff

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[C3223]

名盤さん、こんにちはー。
言葉を大切にしない人、特に、週刊誌系やワイドショー系の、文脈から切り離した一部の言葉だけを切り取ってどうのこうの言う人たちにはムカつきますね。例え話の例えの部分が暴言扱いされるようなやつ。
当たり障りのない言葉の羅列に終始して責任をはぐらかすのもムカつきますが。
言葉だけならなんとでも言える。でも、行動が伴わない言葉は結局のところは見透かされてしまうのだろうと思います。



  • 2018-08-15 07:59
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3222]

言葉って重要ですよね。
でも言葉を大切にしない人多いです。
ただ僕は言葉を信じていないのです、簡単に嘘をつけるから。
所詮言葉です。
だけど言葉でコミュニケーションをとっているわけだから大切にしないといけないはず。
識字率が高いこの国ではありますが、あまりにも読解力のない人が多いようで気になります。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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