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♪6月のもやもやをぶっとばせ!~行き詰ったら振り出しに戻ってロックンロールを~

日ごとに暑さが増してゆく。湿気も高くてうっとおしいけど、暑いならいっそ思いっきり暑いほうが好きだ。

夏に聴くとより気持ちいい音楽はたくさんあるけれど、とりわけ最高なのは、泥臭くていなたいロックンロールやリズム&ブルース。それらは、基本的に「夏の音楽」だと思っている。
なぜなら、ロックンロールという音楽のそもそもの始まりは、大人社会の古い常識から逃れて自分自身が今思うことに素直であることを希求した若者の心情を表現することだったからだ。
そのために、強くて荒々しいビートやけたたましい音量やスピードや、言葉にならない思いを吐き出すためのシャウトが必要とされたのだ。
思うようにならない社会との軋轢や、せつない恋心や、未来への心細さや、ある種のモラトリアム的ななんでもやってしまえ的バカ騒ぎ感も含めて、ロックンロールやリズム&ブルースには良くも悪くも青春が詰まっている。
それは、季節に例えた場合、明らかに「夏」だ。

何かに行き詰ってきたと感じたら、振り出しに戻るのが一番。

多くのアーティストが転機が訪れた頃には、初心に立ち返って、少年時代に大好きだったのであろう初期のオールド・ロックンロール/リズム&ブルース/ブルースをカヴァーしたアルバムを発表している。
ある時期からの決別の決意をにじませつつ、初めてバンドを結成した頃のように嬉々として演奏している、そんなアルバムを5枚。

6月のもやもやをぶっとばせ!

Original Cool   Four Chords & Several Years Ago    Honkin' on Bobo

Rock 'n' Roll   THE KING OF ROCK‘N’ROLL      
  
Original Cool / Stray Cats
ストレイキャッツそのもの!のオールド・ロックンロール&ロカビリーのオンパレード。1993年発表。このあとブライアン・セッツァーは、ビッグ・バンド・オーケストラを結成する。

Four Chords & Several Years Ago/Huey Lewis & the News
ヒット曲を連発したEMIを離れて1994年のWarnerからの第一弾アルバムは、ニュー・オリンズ系R&Bを含む地味渋カヴァー・アルバム。ポップ・ヒットを連発するよりもこうして好きな音楽をただ演りたいだけ、とでも主張するかのような、ヒューイたちらしい陽気でのどかなプレイ。

Honkin’ on Bobo/Aerosmith
ビッグ・ヒットを連発するスタジアム・バンドと化してしまったエアロの、「俺たちのスピリットは今もここにある」とばかりに、余裕でエアロらしさのまんまR&Bとブルースをカヴァーして見せた2004年のアルバム。

Rock ’n’ Roll/John Lennon
ヨーコとも別れ、社会運動にも行き詰まりを感じたジョンがレコーディングしたのは、初期ビートルズ時代の重要なレパートリーだったオールド・ロックンロールの数々。ふっきれたジョンは、その後「主夫」として隠遁生活に入る。

THE KING OF ROCK‘N’ROLL/BO GUMBOS
1993~94年に連発された、ライヴ・レコーディング・シリーズ第一弾。やりたいこと全部やったあと、Bo-Gumbosは95年に解散、どんとは沖縄へ流れソロになり、2000年に他界。どんとが敬愛したボ・ディドリー師匠も先日あの世へ行ってしまったけれど。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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