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♪なんとなくどこかいつもと違う秋

なんなんだろう?なんとなく今年の秋は、いつもと何かが違う気がしている。
相変わらず会社では、上期の決算状況が○○で××だから、背水の陣で下期に臨むのだ、全員が危機感を持ってやれ!みたいな号令が響いているし、世間でも相変わらずいろんな事件があっていろんなニュースが飛び交っているはずのに、なぜか奇妙に静かな感じがしてならないのだ。
それは世間みんながそうなのか、それとも自分が個人的に感じることなのか、その辺りがよくわからないのだけれど、静かといっても無関心とやシラケや無気力とも少し違う。穏やか、というのも少し違う。抑制が効いているとでもいうか分別あるというか、目の前で起きていることに一喜一憂しないというか、言ってみればそういう静けさなのです。

お天気のせいもあるのかも知れない。
盛り上がらないまま過ぎていった夏をそのまま引きずって、爽やかで過ごしやすいお天気が続く毎日。
毎年の関西の九月っていうのは、もっと残暑が厳しかったり、夕立や雷雨が鳴ったり、長雨が続いたりするのに、今年のお天気は平穏で従順で、まるでヨーロッパや北海道みたいなお天気だ。
良くも悪くも、感情を忘れてしまったみたいに、空が遠い。
そういや、今年は全然といっていいほど、台風が来ていないのだなぁ。

そんな気分のせいってわけでもないけれど、毎日聴く音楽もこのところ、ガツンガツンと気合いを入れまくるようなものじゃなくて、聴き流せるくらいがちょうどのものを選んでしまいがち。
それで、CD棚やカセットラックの隅に埋もれていたようなものを拾い集めてはなんとなく聴き流している。
そのことで何か強い感情が湧いてくるわけではないけれど、それはそれなりに居心地が悪いわけでもないので、しばらくはこんな感じでいいのだろう、と思うことにしておこう。

穏やかな秋の日に、聴き流していたアルバムからいくつか。


Patty Smyth  Lone Justice  Greatest Hits

mai yamane  fujimaru yoshino

  
Patty Smyth/Patty Smyth
その昔、スキャンダルというバンドでやんちゃに歌っていたパティ・スマイスのソロ作。
なんてことないありきたりなポップ・ロックやバラードの数々。毒にもクスリにもならないのだけれど、その引っかからなさが結構気持ちいい。
ドン・ヘンリーとのデュエット“Sometimes Love Just Ain't Enough ”はしみじみ来ます。

Lone Justice/Lone Justice
当時二十歳そこそこだったマリア・マッキー嬢がのびのびと歌う歌たちは、怖いもの知らずの若さの勢いがありつつも、ちょっとカントリーっぽくってのどかだったりして、その微妙なバランスがカッコいい。
この初々しさと怖いもの知らずな勢いは、語弊を承知で言えば、ビートルズに匹敵する気がする。

GREATEST HITS/Simply Red
あまり真剣に聴いたことがなかったのだけれど先日中古屋でつい買ってしまった一枚。
なかなかにソウルフルで、その心地よさについ心を委ねてしまうような質の高さに感服。

BEST/山根麻衣
80年代前半、まだまだフォークっぽい湿っぽさを残した、いわゆるニュー・ミュージックが主流だった中で、この人や松原みきの音楽は、洗練された大人の音楽って感じで憧れだった。
その頃はもっとアメリカナイズされた音だと思っていたけれど、今聴くと日本的な情緒もあって“たおやか”なんていうほとんど使われることのなくなった形容詞を思い出したりした。

FUJIMARU YOSHINO/芳野藤丸
先日ezeeさんのブログ「音系戯言」 の記事で久しぶりに思い出した、SHOGUN~AB's。その中心メンバーだった芳野藤丸さんのファースト・ソロ。
カッテイングが気持ちいい。決して上手いとはいえないヴォーカルも味があっていい。
すんなり聴き流せる音楽というのは、実は相当に質の高い音楽なのだ、ということを久々に聴いて改めて思い知った。


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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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