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続・音楽歳時記「大雪」

12月7日は大雪。
今年は12月になっても妙にあたたかくて変な感じ、と思っていたら、明日からめちゃくちゃ冷えるらしい。最低気温3℃、最高気温9℃っていうのは、本気で冬ですね。
幸い仕事はのんびりモード、なんとなくゆるゆるした気分。
こんな季節には、ほっこりとあたたかい音楽を聴きたい。
ゆっくりと落ち着けるもの、そしてほんわかとハッピーなもの。
で、チョイスしたのは、アーロン・ネヴィルさんの『My True Story』という2013年のアルバム。アーロンさんが72才の時の録音だ。

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My True Story / Aaron Neville

いかつい顔に似合わないシルキーなスゥィート・ヴォイス。
この甘い声で50年代ドゥー・ワップなんかを演られた日にゃぁ、こりゃたまらんです。
大好きなクライド・マクファター時代のドリフターズの“Money Honey”“Ruby Baby”をはじめ、インプレッションズ、クローヴァーズ、ジャイヴ・ファイヴ、リトル・アンソニー&インペリアルズ、ハンク・バラード&ミッドナイターズ、それにニュー・オリンズ・ファンク風の“Be My Babyにニヤリ。

元々はティーンエイジャー向けだった60年近くも前の古い楽曲が、熟成されて深みを増して、とても芳醇な香りを漂わせてくれる。
つるんとのっぺりした若僧にはとても歌えない。かといって枯れてしまって昔の栄光を反芻しているだけの爺さんではこの色気は出ない。若気の至りも、思慮浅はかな失敗も、或いはとても甘美な秘め事も、せつなくなるようなロマンスも、そんな過去を愛おしく胸に抱きつつ、あるがままをしっかり受け止めて大人になった人だけが出せる味わいや色気。

プロデューサーはドン・ウォズ、ギターにはキース・リチャードが全面参加。アーロンがドゥー・ワップのカバー集のプランをドンに話したら、「うってつけの奴がいるぜ」ってキースを連れてきたんだそうだ。
とてもフレンドリーで穏やかな空気で録音されたのだろう。くどくどと言葉で説明しなくても音を出せばすぐにわかる、みたいな。その空気感もあって、アルバム全体がほわっとあたたかいムードで包まれている。
そのほわっとあたたかい気分に包まれて、冷たい空気にさらされた心が少しずつ緩んでいくのがわかる。

冬はまだ始まったばかり。
ここから寒い日が続いていく。
ポケットの中の懐炉みたいに、こういうあったかいものがいくつかあるといいね。
苦手な冬が、ちょっとだけ好きになれそう。







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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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